:---bookworm---
本の虫は本を食べて生きています.
なのに,食べても食べても,本は増えるばかり...
食べた本のちょっとした印象を紹介していきます.
2018年6月29日金曜日
どもる体
題名:シリーズ ケアをひらく どもる体
著者:伊藤亜紗
発行:医学書院(2018.6.1)
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☆☆☆☆★
吃音がある著者によって書かれた吃音についての本です.さまざまな吃音がどのように感じられるかが観察とインタビューで語られています.吃音というのはどんな感じなのか,がわかります.資料として.
文中に出てくる「90度逆の方向に」という表現はなんとかしたほうがいいと思います.
安楽死を遂げるまで
題名:安楽死を遂げるまで
著者:宮下洋一
発行:小学館 (2017.12.18)
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☆☆☆☆☆
自殺幇助,安楽死,尊厳死について書かれているノンフィクションです.資料のつもりで入手したのですが,読み始めたら止まらなくなりました.内容的には重いのですが,淡々と語られていて,でもところどころに著者の感情が挟まっていて,いろいろ考えされられました(そこそこ知っている地域や職場のこととも関連があったことも関係しているかもしれませんが).死に方を考えることは生き方を考えること,というわけで,みなさんにオススメです.Kindle にて.
2018年6月24日日曜日
知ってるつもり 無知の科学
題名:知ってるつもり 無知の科学
著者:スティーブン・スローマン,フィリップ・ファーンバック
訳者:土方奈美
発行:早川書房(2018.4.15)
THE KNOWLEDGE ILLUSION Why We Never Think Alone
by Steven Sloman, Philip Fernbach
2017
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☆☆☆★★
無知と知識の錯覚と知識のコミュニケーションについて書かれている本です.はじめの3,4章とおわりの1,2章は面白かった.残りは読み進めるのが大変なうえに,読まなくてもいいかも,という内容でした.なんだろう,彼我の文化の違いなのかな.とても読みにくかった.でもまあ,はじめとおわりが面白かったので,よし.
数学ガール ポアンカレ予想
題名:数学ガール ポアンカレ予想
著者:結城浩
発行:SBクリエイティブ(2018.4.23)
☆☆☆☆★
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数学好きの高校生「僕」と数学好きの女の子たちとのやりとりで,位相幾何学(トポロジー)などについて書かれている本です.幾何学のためか,これまでの「乱択アルゴリズム」や「ガロア理論」などに比べて読み進めやすい印象でした.ただ,やむを得ないのかもしれませんが,最後のリッチフロー方程式のくだりはちと物足りないかも.位相幾何学ってなに,という方にオススメ.
2018年6月22日金曜日
理科系の読書術 インプットからアウトプットまでの28のヒント
題名:中公新書 理科系の読書術 インプットからアウトプットまでの28のヒント
著者:鎌田浩毅
発行:中央公論新社(2018.3.25)
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☆☆☆★★
火山学の研究者によって書かれた合理的な読書術についての本です.本を読むのが苦手な人に書いた,と書かれているので,本をよく読む人にとっては自明のことが書かれています.ていうか,本を読むのが苦手な人がこの本を読み切ることができるのか,とちょっと心配になります.この本を読むことができるなら,十分本を読むことができるのではないかと…….資料として.
2018年6月15日金曜日
1から学ぶ大人の数学教室 円周率から微積分まで
題名:1から学ぶ大人の数学教室 円周率から微積分まで
著者:ジェイソン・ウィルクス
訳者:冨永星
発行:早川書房(2018.2.25)
BURN MATH CLASS And Reinvent Mathematics for Yourself
by Jason Wilkes
2016
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☆☆☆★★
自力で数学をつくっていくプロセスが書かれている本です.円周率や微分積分を足し算と掛け算から導入して展開していきます.野心的な本で興味深いのですが,読みにくい.著者の好みなのだろうと思うのですが,記述がクドくて読み進むのが辛くなります.彼我の文化の違いでしょうか.私の文章もどちらかというとクドいほうなので,反省しました(その意味ではおおいに参考になりました).多少数学を知っているなら,この話をどうやって落とすのだろうと,ちょっとメタな視点から読むのがオススメです.がんばって最後まで読むと,著者が破れかぶれになっていて楽しめます.
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