題名:ハリウッド映画に学ぶ「死」の科学
著者:リック・エドワーズ,マイケル・ブルックス
訳者:藤崎百合
発行:草思社(2021.1.28)
Hollywood Wants To Kill You / The peculiar Science of Death in the Movies
Rick Edwards and Michael Brooks
2019
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☆☆☆★★
ハリウッド映画における死の扱われかたとその実際について書かれている本です.日本語タイトルから想像するほど,科学的には書かれていません.各節のはじめにある著者ふたりの SNS 風の掛け合いや,内容を斬ったようなコラムの入りかたが独特で,馴染めませんでした.著者たちのスタイルも,いろいろと茶化して書いている割に,自分たちも間違っていたりして,ちょっと恥ずかしい感じです.
46ページにあるグラフの横軸の目盛は,著者たち自身が「対数スケールに近い形で表現した」と書いてはいますが,それにしても酷い.対数軸にしなかったのはなぜなのだろう.
61ページの5行目に「大きな隕石同士が衝突して惑星が形成」とありますが,地表に落ちてこないと「隕」石にはならないので,「小天体同士」などとしておくべき.
120ページの2行目に「ワニやアリゲーターが」とありますが,アリゲーターもワニなので,「クロコダイルやアリゲーターが」だと思います.
184ページの9行目に「その幹細胞を幹細胞に戻した」とありますが,「その体細胞を幹細胞に戻した」の誤り?
194ページの最後の行に「ISSの液圧式フックによってドラゴンがドッキングポートへと」とありますが,「液圧式フック」って何でしょうね.文脈からすると「カナダーム2」のことかなと思いますが,あれは電動で油圧のような液圧は使っていないと思うのだけど.原著を見てみたい.