本の虫は本を食べて生きています. なのに,食べても食べても,本は増えるばかり... 食べた本のちょっとした印象を紹介していきます.
著者:冲方丁
発行:早川書房(2021.4.25)
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☆☆☆★★
冲方丁による創作講座を全面的に再構成して書き下ろされた本です.「初心者向け」の「文筆の指南本」ではなく作家として生き残る,ということをテーマに書かれています.当然ですが,読んでも「生き残る作家」になることはできません.作家業のマネージメントなどについても書かれていて,なんだか裏側を覗かせてもらった感があります.
著者:山本弘
発行:東京創元社(2021.4.9)
★★★★★
小説が少しだけ上手くなるテクニックが書かれている本です.いままで小説作法的な本を読み終えて「なんじゃそりゃぁ」と思ったことのある方にオススメです(というか,そういう方はもうとっくに読んでいるのではないかと思いますが).著者も書いているように,プロやプロを目指す方だけではなく,楽しみとして小説を書いている方にも,実践的な助言を含めて参考になる事柄が書かれています.誠実で真摯な態度で書かれているように感じました.小説の執筆を料理になぞられたのは秀逸だと思います.小説を書いていみたいと思う人,書いているけれどもう少しなんとかしたいと思っている人,必読です。