2017年9月19日火曜日

間違いだらけの物理概念

題名:パリティブックス 間違いだらけの物理概念
編者:パリティ編集委員会
発行:丸善(1993.12.25)

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☆☆☆★★

物理学の誤解や誤認について書かれている本です.1つのトピックを1人の著者が書いています.物理をある程度知っている人向け.説明なしにいきなり専門的な用語や概念が出てきます.

2017年9月18日月曜日

戦う姫、働く少女

題名:POSSE叢書 戦う姫、働く少女
著者:河野真太郎
発行:堀之内出版(2017.7.20)

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☆☆☆★★

ポップカルチャーにおける女性の表象について書かれている本です.はい,タイトルにつられて買いました.人文・社会科学系の論考にありがちな,独特の言葉遣いや強引な展開はあるものの,前半はとても面白く読みました.終わりのほうにいくにしたがって,次第に面白くなっていった,というか,私の興味からずれていったのですが,「おわりに」を読んで,なんとなくその理由がわかりました.

2017年9月14日木曜日

ソラリス

題名:ソラリス
著者:スタニスワフ・レム
訳者:沼野充義
発行:国書刊行会(2004.9.30)

Solaris
by Stanislaw Lem
1961

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☆☆☆☆☆

地球外知性体との遭遇のお話の,ポーランド語原典からの新訳版です.いやあ,やはりいいものはいいですね.以前の訳(『ソラリスの陽のもとに』)を読んでからもう随分時間が経っているので,違いまでははっきりしませんが,新訳版(といっても,もうそれほど新しいというわけではありませんが),いいです.

創造的認知 実験で探るクリエイティブな発想のメカニズム

題名:創造的認知 実験で探るクリエイティブな発想のメカニズム
著者:Ronald A. Finke, Thomas B. Ward, Steven M. Smith
訳者:小橋康章
発行:森北出版(1999.7.30)

CREATIVE  COGNITION
Theory, Research, and Applications
by Ronald A. Finke, Thomas B. Ward and Steven M. Smith
1992

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☆☆★★★

創造的思考を認知科学の手法で実験的に分析しようとしている本です.翻訳が悪いのか,原著が悪いのか,両方なのか,原著を読んでいないのでわかりませんが,とても読みにくい.その割に,内容的には(いまとなっては)大したことが書かれているわけではない.どうしても読まなければならない人向け.

2017年9月12日火曜日

ホワイト・ボーン

題名:ホワイト・ボーン
著者:バーバラ・ガウディ
訳者:佐田千織
発行:早川書房(2000.4.30)

T HE WHITE BONE
by Barbara Gowdy
1998

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☆☆★★★

凶悪な人間から逃れて安住の地を示す伝説の「白い骨」を求めて旅をする若い雌象のお話です.残念ながら,物語の中に入り込むことができませんでした.

2017年9月11日月曜日

小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力

題名:小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力
著者:立花隆
発行:朝日新聞出版(2009.1.30)

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☆☆☆☆★

CPの破れを実証するためのBファクトリーについて書かれている本です.書名は「小林・益川理論の証明」となっていますが,もちろん証明について書かれているわけではありません(ついでにいうと,物理の理論は数学的な意味での「証明」はできません).ただ,文章はうまく,難しい内容をわかりやすく書かれているのはさすがです.残念なのは,もともと掲載されていた「サイアス」の休刊で連載が途切れていて,それについて本文中で「かならずどこかに書く」とあるのに,それについての言及がないことです.

2017年9月9日土曜日

物理を楽しもう

題名:物理を楽しもう
著者:阿部龍蔵
発行:岩波書店(2001.10.23)

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☆☆★★★

身近な例を入口として基本的な物理の内容について書かれている本です.まえがきに「物理アレルギーが少しでも解消されれば」とあるのですが,この内容ではちょっと難しいと思います.物理を教える人が参考にするにしても,説明の流れがよくある教科書的なので,あまり役に立たないかも.


2017年9月8日金曜日

宇宙へ

題名:宇宙へ
著者:福田和代
発行:講談社(2012.9.20)

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☆★★★★

宇宙エレベーターのメンテナンスをする人たちのお話です.酷い作品だとは聞いていましたが,想像以上にお粗末でした.いちいち挙げていたらきりがないので挙げませんが,リアリティのあるお話のつもりだと思うのですが,科学的におかしなことが次々に出てくるので,お話の世界に入り込めません.ファンタジーならいいんですけどね,物理や化学がわかってる風に書くから妙なことになる.小説としての出来もよくはなく,読み切るのが苦痛でした.最後は,宇宙エレベーターに関係しているものとしての義務感だけでした.

2017年9月2日土曜日

鳥類学者だからって,鳥が好きだと思うなよ。

題名:鳥類学者だからって,鳥が好きだと思うなよ。
著者:川上和人
発行:新潮社(2017.4.15)

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☆☆☆★★

鳥類学者による話題のエッセイが書かれている本です.あまりにも売れているようなので,敵情視察として購入(笑).しかし,私はあまり好きなスタイルではありません(負け惜しみか).多くの人にはこのような,小ネタで笑わせるスタイルが受けているということなのだと思いますが,私には冗長に感じました.内容は興味深いだけに,もったいない.