著者:黒木哲徳
発行:講談社(2021.2.20)
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☆☆☆★★
数学で現れる記号から数学の知識を深めることができる本です.2001年に講談社から出された『なっとくする数学記号』をまとめ直したもので,新書という体裁にまとめるためか,章の数が63から53へと減っています.図版も減らされているので,旧版の方が読みやすい印象です.時事ネタなどは記述のアップデートはされていて,例えば求められた円周率の桁数の世界記録は「2061億5843桁」から「31兆4159億2653万5897桁」になっています.
p68 に「スピード違反の取り締まりの計測器の原理は,ある一定の短い時間を走った距離を測定して表示している」とあり,旧版でも同じ記述ですが,距離と時間が入れ替わっていると思います.ただ,ドップラーシフトを使ったものもあるので,そいういう原理のものもある,という感じです.
p90 に「……演繹的な方法と機能的な方法があるが,前者はある法則や定理の発見や予測に用いられ,後者はそれを証明するのに用いられることが多い」とありますが,前者と校舎が入れ替わっているのではないでしょうか.ただ,旧版でも同じ記述なので,著者がそう考えているのかもしれません.
p158 の(3)の直後にある行列が書かれてる意味が不明です.旧版での符合の間違いが修正されているので,何某かの意味があると著者は考えているのだと思いますが,その前にある行列で十分でなはないかと思います.
p248 のギリシャ文字νの説明に,数学では「あまり使われることはない」とあります.物理では周波数や振動数に使われることが多い文字です.
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