題名:世界でもっとも美しい10の物理方程式
著者:ロバート・P・クリース
訳者:吉田三知世
発行:日経BP(2010.4.26)
The Great Equations: Breakthroughs in Science from Pythagoras to Heisenberg
by Robert P. Crease
2010
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☆☆☆☆★
主に物理で出てくる数式を題材としてその意味だけでなく発見に至る経緯や背景などについても書かれている本です.原題にもあるように,ピタゴラスの定理から始まり,ニュートンの運動方程式や熱力学第2法則,マックスウェル方程式,シュレーディンガー方程式,ハイゼンベルグの不確定性原理などが取り上げられています.面白い本なのですが,これを面白いと感じるにはある程度の数学と物理の素養が必要で,よくこの企画が通ったなと思います.アメリカの出版事情は日本とは異なるのかな.
304ページのミンコフスキー空間の説明の中で「x軸に沿って等速運動する物体は,x軸に沿って動くと同時にt軸に沿っても一定の速さで運動するので,曲線によって表されることになる」とありますが,「曲線」ではなく「傾いた直線」ですね.
また,471ページの原注第3章(6)には,「ティコとコペルニクスの太陽中心説を信頼していたからこそケプラーは,プラーエのデータが(略)」とありますが,ティコ・ブラーエさんの名前の「ティコ」と「ブラーエ」をそれぞれ使うのはおかしい.それとも別の「ティコ」さんのこと?
429ページの「FG=」は「F_G=」(「 G」を下ツキに)ですね.
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