2023年7月27日木曜日

まちがえる脳

題名:岩波新書 まちがえる脳

著者:櫻井芳雄

発行:岩波書店(2023.4.20)


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☆☆☆☆★


神経回路の活動の実態から脳の本当の姿について説いている本です.序章を含めて5章構成ですが,前半の3章は面白かった.残りの2章はなんだか愚痴のようになっています.とはいえ,最後の章の脳にまつわる迷信については,皆さんに読んでいただきたいなと思います.あ,それから,「心」と「意識」が同列のように書かれているのが気になりました.それって自明?

34ページに「電気信号の速度は時速10億キロメートルほどであるから」軸索上を伝わる信号の速さはずっと遅い,という趣旨の記述の後に,軸索上を信号が伝わるのは「電線の中を電子が流れるという伝わり方ではなく」とありますが,電子の流れは毎秒数ミリメートル程度ともっとずっと遅く,電気信号は電子が流れて伝えいるわけではないので,誤解を与える表現だと思います.

2023年7月24日月曜日

ChatGPTの頭の中

題名:ハヤカワ新書 ChatGPTの頭の中

著者:スティーヴン・ウルフラム

訳者:高橋聡

監訳:稲葉通将

発行:早川書房(2023.7.20)


WHAT IS ChatGPT DOING... AND WHY DOES IT WORK?

by Stephen Wolfram

2023


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☆☆☆★★


ChatGPTがどのように動くのか,なぜ動くのかについて書かれている本です.著者はMathematicaを作ったウルフラムで,自社のWolfram|Alphaの宣伝のようになっている部分もありますが,概ね素人にもわかりやすく書かれています(とはいっても,ニューラルネットや機械学習などについての知識がないと,読み進めるのに苦労するかもしれません).ChatGPTについてささっと知りたい方にオススメ.

2023年7月22日土曜日

科学者・技術者のための英語論文の書き方

題名:科学者・技術者のための英語論文の書き方 国際的に通用する論文を書く秘訣

著者:Robert M. Lewis,Nancy L. Whitby,Evan R. Whitby

発行:東京化学同人(2004.1.22)


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☆☆☆☆★


日本の科学者や技術者のために国際的に通用する英語科学論文の書き方がネイティブによって解説されている本です.「現代化学」という月刊誌に連載されていたものをもとにしているので例文などは化学に偏っていますが,内容としては普遍的なことが書かれています.しりょうとして.

73ページ「Q&A」内「KC1」→「KCl」(「いち」ではなく「エル」).152ページ3行目「polymeriation」→「polymerization」.206ページ下から8行目「scientitic」→「scientific」.