著者:櫻井芳雄
発行:岩波書店(2023.4.20)
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☆☆☆☆★
神経回路の活動の実態から脳の本当の姿について説いている本です.序章を含めて5章構成ですが,前半の3章は面白かった.残りの2章はなんだか愚痴のようになっています.とはいえ,最後の章の脳にまつわる迷信については,皆さんに読んでいただきたいなと思います.あ,それから,「心」と「意識」が同列のように書かれているのが気になりました.それって自明?
34ページに「電気信号の速度は時速10億キロメートルほどであるから」軸索上を伝わる信号の速さはずっと遅い,という趣旨の記述の後に,軸索上を信号が伝わるのは「電線の中を電子が流れるという伝わり方ではなく」とありますが,電子の流れは毎秒数ミリメートル程度ともっとずっと遅く,電気信号は電子が流れて伝えいるわけではないので,誤解を与える表現だと思います.
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