2023年10月5日木曜日

有人宇宙学 宇宙移住のための3つのコアコンセプト

題名:有人宇宙学 宇宙移住のための3つのコアコンセプト

編者:山敷庸亮

発行:京都大学学術出版会(2023.7.15)


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☆☆☆☆★


宇宙における持続可能な社会の構築に向けた移住についての諸々について書かれている本です.生態系,技術,社会という三つの枠組みで有人での宇宙活動が取り上げられています.京都大学大学院などでの教科書として想定されているとのことですが,だとするともう少し踏み込んだ内容まで書いてほしかった気がします.また,数式や単位の取り扱いが統一されていないのが残念です.著者が複数とはいえ,一冊の本にまとめるのならば一貫して(しかも,標準的な記法に則って)ほしかった.

52ページ1行目に「表面温度を摂氏ゼロ度に保てなくなる」との記述がありますが,そもそもハビタブルゾーンが地球そのものをその場所に持っていったとして,という注釈がいると思います.109ページ6行目「1015g」→10の15乗 g.またその前の炭素換算質量を説明するには「CO2」ではよくわかりません.141ページ「空気との摩擦熱で燃焼廃棄」とありますが,ここは「空力加熱」.一般向けには「摩擦熱」ということもあると思いますが,この本ではどうでしょうか.

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