著者:青山一郎
発行:アルテスパブリッシング(2021.3.25)
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★★☆☆☆
ピアノの歴史や構造について書かれている本です.調律師の方が著者のようですが,音波に関する物理的な記述に誤りがみられます.物理的な記述に不慣れなのだとは思いますが,全体的な記述が詳細にわたっているためとても残念です.声をかけていただければ校閲したのに.資料として.
81ページ 図2.1.2 なにを表現しているのか,縦軸・横軸がなんなのか,不明です.82ページ1行目「弦の振動数は440回,上下をくり返しますから波長が440個できます」日本語の文として成立していないことを置いておいても意味がわかりません.「弦は1秒間に440回上下します」といいたかった? また,その下の図2.1.5もやはり意味不明です.(その直後に「音色は一般的には波形で表すことができますが,ピアノの場合はひじょうに複雑で,物理の世界でも解明されていない事柄があり(略)」との記述があるので,著者は物理を信頼していないのかもしれません.)93ページ 図2.2.2 図中に明記はされていませんが,年表的な図にある数字は年だと思いうのですが,「0」があります.特殊な場合を除いて,紀元前1年の次の年は紀元1年で,0年はありません.106ページ3行目「うなり/振動数がわずかに異なる2音から生じる音の強弱の現象で,物理学では波動の干渉といいます」→「うなり/振動数がわずかに異なる複数の音から生じる音の強弱の現象で,波の重ね合わせによって起きます」166ページ 図3.3.17 図と説明で部品の名称が一致していません(キャッチャーとバックチェック).185ページ下から4行目「弦の振動は波長がずれて発生します.そのため位相がずれて減衰時間が長くなることが知られています」前の文の「波長」が「位相」で,後ろの分は共鳴のこと? 全体として波動の時間と空間の広がりが区別されていないように感じます。
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