2018年7月16日月曜日

軌道学園都市フロンテラ

題名:創元SF文庫 軌道学園都市フロンテラ 上・下
著者:ジョーン・スロンチェフスキ
訳者:金子浩
発行:東京創元社(2015.6.30)

THE HIGHEST FRONTIER
by Joan Slonczewski
2011

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☆☆★★★

軌道上の宇宙居住施設での大学生のお話です.訳者あとがきによると,「生物学者である著者の本領が発揮されているハードSF」とのことですが,ハードかなぁこれ.好みはあるかと思いますが,ガジェットや独自の用語が多いのに説明が少なく,物語世界に入りにくいように感じました.ストーリーも単調で,意外なことは起きません.宇宙エレベーター(炭疽菌エレベーターって,何?)が出てくるというので読んでみましたが,私には合いませんでした.


音律と音階の科学 ドレミ…はどのように生まれたか (新装版)

題名:ブルーバックス 音律と音階の科学 ドレミ…はどのように生まれたか (新装版)
著者:小方厚
発行:講談社(2018.5.20)

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☆☆☆☆★

音楽と楽器について数学と物理学の視点から書かれている本です.この本で,長年の疑問だった「ふたつの音の周波数をずらして行くと,どの辺りからうなりが2音に分かれて聞こえるのか」について書かれていて,なるほどでした.

ただ,120ページに「両端が閉じた菅の中の空気の振動」が描かれ,その後に「菅の場合は息を吹き込むことで(振動が)生じる」と書かれているのですが,両端が閉じた間には息は吹き込めないなぁ,と思っていたら,199ページに「これでは空気を吹き込むことができない」とあって,ずっこけました.わかってるなら書いといてよ,という感じです.

また,200ページには右側が閉じた閉管の図が描かれていて,199ページに「右側が吹き口である」と書かれているのですが,閉じている側からは息は吹き込めないので,吹き口は左側ではないかと思います(閉管楽器の例は,パンフルート).その前に,クラリネットのようなリード楽器はリードが閉じている間は閉管,という記述もあり,その説明のためかと思いますが,リードは空気の振動数と同じ振動数で震えているので,閉じているのではないと思いますが,どうなんでしょう.その直後にクラリネットのソノグラム(スペクトル)を載せて「存在しないはずの倍音成分の意外に大きい」とあるのですが,それは閉管とはいえないからですよね.

2018年7月8日日曜日

哲学の奇妙な書棚 パズル,パラドックス,なぞなぞ,へんてこ話

題名:哲学の奇妙な書棚 パズル,パラドックス,なぞなぞ,へんてこ話
著者:ロイ・ソレンセン
訳者:川辺治之
発行:共立出版(2018.4.25)

A CABUNET OF PHILOSOPHICAL CURIOSITIES: A Collection of Puzzle, Oddities, Riddles and Dilemmas
by Roy Sorensen
2016

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☆☆★★★

「教室の外で見つかる興味深い論理」がたくさん書かれている本です.興味深い事柄も書かれているのですが,とても読みにくい.また,英語表現に特有の事柄や,文化的な背景が共有できていないとわからない事柄が多い印象です.読み流すタイプの本ではないようです.

2018年6月29日金曜日

どもる体

題名:シリーズ ケアをひらく どもる体
著者:伊藤亜紗
発行:医学書院(2018.6.1)

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☆☆☆☆★

吃音がある著者によって書かれた吃音についての本です.さまざまな吃音がどのように感じられるかが観察とインタビューで語られています.吃音というのはどんな感じなのか,がわかります.資料として.

文中に出てくる「90度逆の方向に」という表現はなんとかしたほうがいいと思います.


安楽死を遂げるまで

題名:安楽死を遂げるまで
著者:宮下洋一
発行:小学館 (2017.12.18)

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☆☆☆☆☆

自殺幇助,安楽死,尊厳死について書かれているノンフィクションです.資料のつもりで入手したのですが,読み始めたら止まらなくなりました.内容的には重いのですが,淡々と語られていて,でもところどころに著者の感情が挟まっていて,いろいろ考えされられました(そこそこ知っている地域や職場のこととも関連があったことも関係しているかもしれませんが).死に方を考えることは生き方を考えること,というわけで,みなさんにオススメです.Kindle にて.

2018年6月24日日曜日

知ってるつもり 無知の科学

題名:知ってるつもり 無知の科学
著者:スティーブン・スローマン,フィリップ・ファーンバック
訳者:土方奈美
発行:早川書房(2018.4.15)

THE KNOWLEDGE ILLUSION Why We Never Think Alone
by Steven Sloman, Philip Fernbach
2017

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☆☆☆★★

無知と知識の錯覚と知識のコミュニケーションについて書かれている本です.はじめの3,4章とおわりの1,2章は面白かった.残りは読み進めるのが大変なうえに,読まなくてもいいかも,という内容でした.なんだろう,彼我の文化の違いなのかな.とても読みにくかった.でもまあ,はじめとおわりが面白かったので,よし.


数学ガール ポアンカレ予想

題名:数学ガール ポアンカレ予想
著者:結城浩
発行:SBクリエイティブ(2018.4.23)

☆☆☆☆★

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数学好きの高校生「僕」と数学好きの女の子たちとのやりとりで,位相幾何学(トポロジー)などについて書かれている本です.幾何学のためか,これまでの「乱択アルゴリズム」や「ガロア理論」などに比べて読み進めやすい印象でした.ただ,やむを得ないのかもしれませんが,最後のリッチフロー方程式のくだりはちと物足りないかも.位相幾何学ってなに,という方にオススメ.