題名:自動人形(オートマトン)の城 人工知能の意図理解をめぐる物語
著者:川添愛
発行:東京大学出版会(2017.12.18)
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☆☆☆☆★
「人工知能」と「人間の言葉」をテーマとした物語で解説しようという本です.『白と黒のとびら』『精霊の箱』の著者による本で,研究の傍ら次々と物語形式の解説本を出すので,すごいなぁと思っていたら,この本の奥付の著者略歴では「現在 作家」となっていました,なるほど.とはいえ,この手の本を次々に書くのはなかなか大変なことだと思います.
内容は少し自然言語処理のことを知っている方なら予想がつく程度の難易度です.物語として読んでも楽しめると思います(典型的な映画シナリオの構成です).数式などは出てこないので,これなら縦組みでも良かったのではないかな,と思います.その方が読者層が広がったのではないかな.
真剣に校正をしたわけではなく,たまたま目についたところですが,初版のせいか,構成漏れを見つけました.
32ページ2行目:」→ )
166ページ8行目:張→貼
2018年1月22日月曜日
2018年1月19日金曜日
ラーメンを科学する
題名:ラーメンを科学する
著者:川口友万
発行:カンゼン(2018.1.5)
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著者:川口友万
発行:カンゼン(2018.1.5)
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☆☆☆★★
ラーメンに関するいろいろな疑問を解明しようとする本です.科学的な用語や原理は出てきますが,化学的にアプローチしているわけではありません.論文じゃないから当たり前か.内容的には充実していると思いますが,残念ながら私が知りたかったことについては書かれていませんでした(これはチャンス?).校正漏れなのか意図的なのか,145ページに「科学調味料」とあって,妄想が止まらない(同じページに「化学調味料」もあるので,単なる変換ミスだと思いますが).あと,オノマトペについての章は,岩波科学ライブラリーの窪薗晴夫編『オノマトペの謎―ピカチュウからモフモフまで』の内容とかぶってます.あまりよろしくないので星ひとつ減点.カバーのイラストはなかなか秀逸ですが,「化学実験といえばアルコールランプ」的なところがちっと残念.
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