2018年2月28日水曜日

夜ふかしするほど面白い「月の話」

題名:PHP文庫 夜ふかしするほど面白い「月の話」
著者:寺薗淳也
発行:PHP研究所(2018.1.18)

--

☆☆☆☆★

質問に答える形式で月について書かれている本です.広い範囲について網羅されているので,月について知りたいことがある方が最初に手に取る本としてオススメです.その意味で,この本の先を知りたい方のためのガイドがあると良かったかも.ただ,分量的には「夜ふかし」するほどはありません(まあ,題名は編集の方が 付けているはずなので,著者のせいではないと思いますが).

203ページの「解像度」は「分解能」だと思うのですが,意図的に「解像度」にしたのかな.

物理学の七つの革命 古代ギリシアからクォークの発見まで

題名:物理学の七つの革命 古代ギリシアからクォークの発見まで
著者:N. スピールバーグ,B. D. アンダソン
訳者:小野周
発行:森北出版(1990.9.27)

Seven Ideas that Shook the Universe
by Nathan Spielberg, Bryon D. Anderson
1987

--

☆☆☆☆★

物理学史上の革命てきな出来事を扱うことで物理学について解説しようという本です.横書きですが,数式を使わずにとてもわかりやすく書かれていると思います.その分,分量は多めになっているのは,著者のこだわりというか,良心でしょう.物理の考え方を知りたい方にオススメ.

2018年2月26日月曜日

運動科学 アスリートのサイエンス

題名:京大人気講義シリーズ 運動科学 アスリートのサイエンス
著者:小田伸午
発行:丸善出版(2003.2,28)

--

☆☆☆★★

運動について生理学や解剖学などの観点から書かれている本です.著者も書いていますが,運動の科学について網羅的に書かれているわけではありません.とくに後半は二軸運動というものについての言及に終始します.資料として.

ベースボールの物理学

題名:ベースボールの物理学
著者:ロバート・K・アデア
訳者:中村和幸
発行:紀伊國屋書店(1996.10.26)

The Physics of Baseball 2nd edition
by Robert K. Adair
1994

--

☆☆☆★★

野球の動きや現象を物理学に説明しようとしている本です.内容はそこそこ面白いのですが,なぜか縦書きで,とても読みにくい.その分,星ひとつ減点.数字がたくさん出てくる,まして数式が出てくる本は,ぜひ横書きで出してください.縦書きにした方が読みやすくて売れるはず,というのは幻想です(個人の願望です).資料として.

2018年2月24日土曜日

理科教育学概論

題名:理科教育学概論
著者:寺川智祐
発行:大学教育出版(1993.5.30)

--

☆☆★★★

理科の教員を目指している学生に向けて書かれている本です.冗長で内容はあまりありません.教科書として書かれているようですが,資料集という感じです.資料として.

2018年2月23日金曜日

振動をみる

題名:テクノライフ選書 振動をみる
著者:田中基八郎,大久保信行
発行:オーム社(1994.9.25)

--

☆☆★★★

振動現象について簡単に書かれている本です.このシリーズの企画意図なのかもしれませんが,内容が薄くて物足りない.

21世紀,物理はどう変わるか

題名:21世紀,物理はどう変わるか
編者:日本物理学会
発行:裳華房(2002.11.25)

--

☆☆☆★★

日本物理学会が企画した物理学者が21世紀を語るというセミナーの内容がまとめられている本です.分野によっては古くなっているものもありますが,興味深い内容も書かれています.資料として.

2018年2月22日木曜日

学習と教育の心理学

題名:現代心理学入門3 学習と教育の心理学
著者:市川伸一
発行:岩波書店(1995.7.25)

--

☆☆☆☆★

教育心理学について書かれている本です.あまり期待しないで読み始めたのに,意外にもいま考えていることのヒントになることがいろいろ書かれていました.もっとはやくよんんだった積ん読はダメですね,きちんと読まないと.


2018年2月21日水曜日

授業の道具箱

題名:授業の道具箱
著者:バーバラ・グロス・デイビス
監訳:香取草之助
発行:東海大学出版部(2002.7.20)

Tools for Teaching
by Barbara Gross Davis
1993

--

☆☆☆★★

大学の教員が効果的に学生を指導するための手段となる諸々を提供しようという本です.ちょっと古いのと,日本の状況とは合わない(著者は UC Davis の教員)ところはありますが,参考になるところもあります.資料として

2018年2月20日火曜日

英語学習論 スピーキングと総合力

題名:英語学習論 スピーキングと総合力
著者:青谷正妥
発行:朝倉書店(2012.9.25)

--

☆☆☆☆★

英語を話すことと聞くことを中心にした大人のための英語学習の手引きが書かれている本です.スピーキングは低次機能という主張に,目から鱗でした.いわれてみればその通りで,なにを間違えていたのか納得です.書き方が独特なので好き嫌いはあるかもしれませんが,頭で納得して英語を勉強したい方にオススメです

学力の社会学 調査が示す学力の変化と学習の課題

題名:学力の社会学 調査が示す学力の変化と学習の課題
編者:苅谷剛彦,志水宏吉
発行:岩波書店(2004.12.22)

--

☆☆☆★★

学力の低下について大規模な調査に基づいて書かれている本です.少し前の調査結果で,現在の状況とは異なるところもありますが,そもそも学力とは何かということについても論じられていて,参考になります.政策決定のために客観的な評価が必要,という点については,当時とほとんど状況は変わっていないと感じます.

4刷なのに校正漏れ.123ページ「小活」→「小括」節タイトルで大きなフォントなのでかなり恥ずかしい

2018年2月19日月曜日

シャンパン 泡の科学

題名:シャンパン 泡の科学
著者:ジェラール・リジェ゠ベレール
訳者:立花峰夫
発行:白水社(2007.9.30)

UNCORKED The Science of Champagne
by  Gérard liger‐Belair
2004

--

☆☆☆☆☆

シャンパンの泡について主に物理的に解説している本です.泡はどこから出るか,などについての研究結果が紹介されています.ランスでの国際会議でこの著者の講演を聴く機会があり,面白かったので帰国してからすぐに買ったのですが,積読状態でした.この方はランス大学の物理の先生で,シャンパンのお膝元でこのような研究がされていることにフランスの底力を感じます.酒飲み必読

2刷なのに校正漏れ.68ページの5行目「堆積」→「体積」

2018年2月4日日曜日

視覚科学

題名:視覚科学
著者:横澤一彦
発行:勁草書房(2010.2.20)

--

☆☆☆★★

視ることについて科学的な視点から書かれている本です.わかりやすく網羅的に書かれているので,資格に興味のある方にオススメです.資料として.

2018年2月3日土曜日

時間の矢 コンピュータシミュレーション、カオス―なぜ世界は時間可逆ではないのか?

題名:時間の矢 コンピュータシミュレーション、カオス―なぜ世界は時間可逆ではないのか?
著者:ウィリアム・グラハム・フーバー
訳者:志田晃一郎
発行:森北出版(2002.5.10)

TIME REVERSIBILITY, COMPUTER SIMULATION, AND CHAOS
by William Graham Hoover
1999

--

☆☆☆☆★

自然法則は可逆なのに現実は非可逆なのはカオスとフラクタル性が重要だということが書かれている本です.面白いのですが内容は高度で,物理を知らないとわからないと思います.資料として.

2018年2月2日金曜日

図説 サインとシンボル

題名:図説 サインとシンボル
著者:アドリアン・フルティガー
監訳:小泉均
訳者:越朋彦
発行:研究社(2015.6.24)

Der Mensch und seine Zeichen
by Adrian Frutiger
1996

--

☆☆☆☆☆

視覚的表現としてのサインやシンボルなどについて書かれている本です.図が多く,網羅的で,眺めて拾い読みするだけでも楽しめると思います.資料として.

科学哲学への招待

題名:ちくま学芸文庫 
科学哲学への招待
著者:野家啓一
発行:筑摩書房(2015.3.10)

--

☆☆☆☆★

科学とはどのよなもの7日について,科学哲学の視点から描かれている本です.コンパクトにまとまっているので,科学哲学とはどのようなものかを知りたい方にオススメです.もともとは2004年に出た放送大学の教科書(?)ですが,東日本大震災後に加筆されています.加筆された原発事故部分がもう少し冷静に書かれていればもっとよかったのに,という印象です.