著者:矢崎成俊
発行:共立出版(2022.5.31)
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☆☆☆☆★
次元解析について書かれている本です.解説だけでなく例が豊富です.ここでいう次元というのは,量(物理量といったりします)のことで,単位と似た概念ですが,単位とは異なります.そして次元解析というのは,次元の間の関係性を利用して妥当性や別の関係式を導く方法のことで,これが使えるととても便利,という代物です.「数学のかんどころ」というより「科学のかんどころ」のようにも思いますが,この本の「まえがき」にもある通り,便利な割にきちんと書かれた本がないので貴重です.
4ページ8行目「立方体のように厳密に計算できないもの」という文は「立方体が厳密に計算できない」とも読めてしまうので「立方体のようには厳密に計算できないもの」などとなおしたほうがいいのでは.5ページ下から8行目「水の圧縮率は 0.45 GPa^-1」→「水の圧縮率は 0.45 (GPa)^-1」.13ページの下から3行目「相対論を考慮しない古典力学の範囲では質量は変化しない一定値としてよい」という文は,質量自体が変わらないという意味では間違いではないのですが,ここで言及している運動方程式を考える際には,ロケットの運動のように変化を考える必要がある場合も扱えるので,言い過ぎだと思います.70ページの下から7行目「(p.40)」→「(p.41)」.106ページ4行目「(p.104)」→「(p.105)」,下から5行目の変形後の行列の3行4列目「-2」→「-1」.127ページ下から5行に「図4-9」とありますが図がありません.160ページ6行目「ロケットや隕石が大気圏突入する際に(略)摩擦が生じる」とありますが,空力加熱は摩擦ではありません.同11行目「水や空気はさらさらのイメージ通りに粘性が小さい」とありますが,水はさらさらのイメージでしょうか(春の小川はさらさらいくようですが).171ページ下から8行目「層流 離から乱流 離に遷移したため」→「層流から乱流に遷移したため」でしょうか.著者も編集者も校正不足ですね.
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