著者:千田理緒
発行:東京創元社(2020.10.9)
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☆☆☆★★
介護施設で起きた殺人事件を描いたお話です.犯人の目撃した五人の老人の証言が,犯人の服色が「赤」「青」「白」「黒」「緑」の五通りだった,というところが重要な鍵になっているのですが,その大部分は初めに予想した通りの種だったところが残念です.それに,ネタバレになるので書きませんが,重要な種についての仄めかしが輝きすぎていて間延びしている感じです.主人公やその周辺の人はなぜ気がつかないのか,についての説明がもう少し欲しいかな.物語としては面白く読みました.第30回鮎川哲也賞受賞作とのことで応募時の作品名は異なっているのですが,本編中に登場するあたり著者はかなり気に入っている様子で,編集との間のやり取りが垣間見えるようです.
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