題名:交響曲第6番「炭素物語」 地球と生命の進化を導く元素
著者:ロバート・M・ヘイゼン
訳者:渡辺正
発行:化学同人(2020.5.10)
Symphony in C
Carbon and the Evolution of (Almost) Everything
Robert M. Hazen
2019
--
☆☆☆☆★
「炭素がつむいだ地球と生命の物語」について書かれた本です.著者は交響楽団のトランペット奏者でもあるとのことで,原著も交響曲をイメージした題名になっていますが,その意図を酌みつつ無理なく日本語の題名にしてあるあたり,さすがです(と思ったら,訳者は渡辺センセではありませんか.タイトルにどこまで関与したのかはわかりませんが,宜なるかな).内容的には,カール・セーガン『コスモス』の炭素限定版,といった感じで,とても楽しめました.ただ個人的には,文中に QR コードが入ってくるのが気になります.これも意図はわかるのですが,調べたいなと思う人は自分で調べるだろうし,そうでない人は QR コードを読むこともしないと思うのですが.
66ページに「結晶を通ったX線は散乱され,特別な方向で強まる(回折現象)」とありますが,回折干渉現象とした方がいいと思います(原著を確かめたわけではありませんが).
それから,154ページの「横に突き出た趣のパイプから」の「趣」がわからなかったのですが,どういう意味でしょうか(これもおそらく原著を調べればわかることだと思いますが
).
164ページに宇宙エレベーターについての言及もあります.表現はやや微妙ではありますが.
0 件のコメント:
コメントを投稿