題名:ベイズ推定入門 モデル選択からベイズ的最適化まで
著者:大関真之
発行:オーム社(2018.2,2)
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☆☆☆★★
ベイズ推定についてストーリー仕立てで書かれている本です.数式は出てきません.意図はわかるのですが,ただ言葉の紹介をしているだけで,逆にわかりにくく感じました.難しいですね.たとえば,28ページの「ベイズの定理」の紹介では,等号を使っていませんが,等式だと思われてしまうと誤解されてしまいそうです.分かりやすさを優先したのでしょうけれど,あまりいい手ではないと思います.
134ページの冒頭部分の「L1ノルムではダメなの?」は「L2ノルムではダメなの?」の誤り?
2020年7月11日土曜日
2020年7月9日木曜日
アナタはなぜチェックリストを使わないのか?
題名:アナタはなぜチェックリストを使わないのか? 重大な局面で"正しい決断"をする方法
著者:アトゥール・ガワンデ
訳者:吉田竜
発行:晋遊舎(2011.6.30)
The Checklist Manifesto: How to Get Things Right
by Atul Gawande
2009
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☆☆☆☆★
著者:アトゥール・ガワンデ
訳者:吉田竜
発行:晋遊舎(2011.6.30)
The Checklist Manifesto: How to Get Things Right
by Atul Gawande
2009
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☆☆☆☆★
チェックリストがいかに有用かについて書かれている本です.知識の量と複雑性が個人が安全,確実に活用できる範囲を超えてしまった現代社会において,さまざまな場面で失敗を防いでくれる,と説いています.チェックリストをいかに短くするか,というあたりが参考になります.巻末の「チェックリスト作成のためのチェックリスト」だけでも読む価値あり.
132ページの「事故未遂」という表現はちょっと気になりました.事故に未遂はないだろうと.言語だとincidenrt だったのかな.「事故に至らなかった失敗」とか,あまり好きではない言葉ですが,よく言われるのは「ヒヤリハット」ですかね.
132ページの「事故未遂」という表現はちょっと気になりました.事故に未遂はないだろうと.言語だとincidenrt だったのかな.「事故に至らなかった失敗」とか,あまり好きではない言葉ですが,よく言われるのは「ヒヤリハット」ですかね.
2020年7月2日木曜日
絵を見る技術 名画の構造を読み解く
題名:絵を見る技術 名画の構造を読み解く
著者:秋田麻早子
発行:朝日出版社(2019.5.2)
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☆☆☆☆☆
絵の見方について書かれている本です.美術館などでなんとなく絵を見ているだけでも楽しいですが,画家が絵に込めた意図やメッセージを読み取ることができるともっと面白くなります.そのための手がかりを詳しく教えてくれます.美術書などには書かれていることなので,とくに目新しいことはありませんが,例示されている絵の選択が素晴らしい.絵の意味を気にしていなかった方に,ぜひ読んでいただきたい本です.
40ページのラファエロの絵の説明に「弓矢のように矢印になっている」とありますが,矢印でものをさすようになったのはもっと後世になってからなので,ラファエロが矢印として意識したわけではないと思います.リーディングラインの説明として間違っているわけではありませんが.
他にも,構成の解釈などで異論のある部分(たとえば,132ページのティツィアーノの絵の「左の赤い旗が聖母子に対応する形でバランスを取って」というところは,赤い旗とバランスを取っているのは別の人物ではないか,とか)もありますが,そいういところも含めて楽しい本です.
著者:秋田麻早子
発行:朝日出版社(2019.5.2)
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☆☆☆☆☆
絵の見方について書かれている本です.美術館などでなんとなく絵を見ているだけでも楽しいですが,画家が絵に込めた意図やメッセージを読み取ることができるともっと面白くなります.そのための手がかりを詳しく教えてくれます.美術書などには書かれていることなので,とくに目新しいことはありませんが,例示されている絵の選択が素晴らしい.絵の意味を気にしていなかった方に,ぜひ読んでいただきたい本です.
40ページのラファエロの絵の説明に「弓矢のように矢印になっている」とありますが,矢印でものをさすようになったのはもっと後世になってからなので,ラファエロが矢印として意識したわけではないと思います.リーディングラインの説明として間違っているわけではありませんが.
他にも,構成の解釈などで異論のある部分(たとえば,132ページのティツィアーノの絵の「左の赤い旗が聖母子に対応する形でバランスを取って」というところは,赤い旗とバランスを取っているのは別の人物ではないか,とか)もありますが,そいういところも含めて楽しい本です.
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