題名:人類が変えた地球 新時代アントロポセンに生きる
著者:ガイア・ヴィンス
訳者:小坂恵理
発行:化学同人(2015.7.15)
Adventures in the Anthropocene
A Journey to the Heart of the Planet We Made
by Gaia Vince
2014
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☆☆☆☆★
地質学上の新しい時代として提案されている「アントロポセン(人新世)」をキーワードとして人類の生息環境としての地球について書かれている本です.膨大だと思われる取材をもとにして書かれていて,読み応えがあります.どうやって取材費用を出したのか,余計な心配をしたくなるほどです.アントロポセンというキーワードは,やや勇み足かも.
よく書けているだけに細かいところが気になります.たとえば,「グラフェンと呼ばれるカーボンナノチューブのシート」(383ページ)という記述(グラフェンは炭素原子の単層膜で,カーボンナノチューブを敷き詰めたシートではない)とか,「マラリアや黄熱病やデング熱など,死亡率の高い伝染病を媒体する蚊の発生場所でもある」(413ページ)という記述(マラリア,黄熱病,デング熱は,伝染病ではなく感染症,日常生活ではヒトからヒトへの伝染はしない.「媒体」ではなく「媒介」)とか.原書を確認していないのて,翻訳の誤りかもしれませんが.
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