2006年11月21日火曜日

漢詩入門

題名:漢詩入門
著者:一海 知義
発行:岩波書店 岩波ジュニア新書 1998.6.22
ISBN:4005003044

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☆☆☆★★

有名な漢詩を紹介しながら,漢詩の世界を案内してくれる本です.高校の「漢文」の時間に,この本を読みたかった,まだ出版されていませんでしたが.漢詩のリズム,平仄と日本語の発音など,知らなかったことがいっぱいでした(もしかしたら,高校でやっていたのかも.寝てただけか).もっといろいろ読んでみたい気持ちになりました.次に何を読んだらいいのだろう?  いつも思うのですが,岩波ジュニア新書はいい本が揃っています.大学生向けといっても十分通用します.

2006年11月19日日曜日

ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い一〇分間の大激論の謎


題名:ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い一〇分間の大激論の謎
著者:デヴィッド・エドモンズ,ジョン・エーディナウ
訳者:二木 麻里
発行:筑摩書房 2003.1.23
ISBN:4480847154

WITTGENSTEIN'S POKER : The Story of a ten-minute argument between two great philosophers
by David Edmonds, John Eidinow

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☆☆★★★

非常に長い題名の本です(長すぎです).ポパーとウィトゲンシュタインの有名な「事件」についての本と思っていたら,そうでもなかった.もちろん,その周りを丁寧に書いてはあるのですが,核心に触れないまま終ってしまうような感じです.長いタイトルの割に,タイトルが中身を反映していないのでは.

2006年11月17日金曜日

科学という考え方

題名:科学という考え方
著者:田中 三彦
発行:晶文社 1992.6.25
ISBN:4794960808

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☆☆★★★

身近な現象から科学について書いた,という本です.とはいうものの,科学について語っているとは思えません.たしかにエピソードやトピックは入っているのですが,核心に迫っていない.「素人だからわからないが」という言葉が何度も出てきます.そんなこといわれても,読者は困ります.金返せ,という気持ちになります.そういうことに気を付かせて頂いたという面で,勉強になりました.

2006年11月16日木曜日

着るということ


題名:着るということ
著者:水野 正夫
発行:藍書房 1996.9.30
ISBN:4900876046

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☆☆☆★★

洋服について,着こなすということについて書かれた本です.もっと早くに読んでおけばよかった.いかに洋服をゾンザイに選んでいたか,いかに着ていなかったか,自覚させられました.特に,洋服は「身体に頼って着るもの」という見方はしたことがなかった.服の選び方が,変わりそうです.

2006年11月13日月曜日

世界の環境危機地帯を往く


題名:世界の環境危機地帯を往く
著者:マーク・ハーツガード
訳者:忠平 美幸
発行:草思社 2001.4.26
ISBN:4794210345

EARTH ODYSSEY
by Mark Hertsgaard

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☆☆☆★★

環境に問題を抱えている世界各地を回り,実際に見聞したことを含むレポートです.すこし古いのですが(というか,私が読んだのが遅かっただけか),今の自分の生活を見直すきっかけになると思います.「地球環境」とは言わないところに,共感が持てました.煽り過ぎかな,という気もしますが,読む価値はあると思います.あとはご自分でご判断を.

2006年11月8日水曜日

地球 その不思議な世界


題名:地球 その不思議な世界
著者:三木 幸蔵
発行:鹿島出版会 2004.9.30
ISBN:4306093727

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☆★★★★

地球と宇宙,人類について雑駁にまとめられた本です.帯には,「誰も教えてくれなかった,心を豊かにする常識!」とあります.また,まえがきには,「学生たちを心豊かな教養人に育てるための(中略)お役に立てることを心から念願してやみません」とあります.しかし,科学的には誤りであること,または,定説ではないことが,書かれている部分があります.科学的な真理というものはありませんが,誤りであることはあります.また,定説ではないからと言って書いてはいけないということではまったくないのですが,「常識」や「教養」というのであれば,学界の定説も並記すべきだと思います.校正不足なところも気になります.学生には勧められません.

ワールドウォッチ研究所 地球白書 2005-06


題名:ワールドウォッチ研究所 地球白書 2005-06
編著:クリストファー・フレイヴィン
日本語版監修:エコ・フォーラム21世紀
発行:家の光協会 2005.5.1
ISBN:4259546740

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☆☆☆★★

現在の地球上で起きている様々な問題について書かれた本です.この本もやはり,1年遅れで読みました.読み進むにつれて,いたたまれない気持ちになります.問題山積です.微力ではあっても,何かに貢献しなければいけないなぁ,という気になりました.でも,なにができるだろう... ともかく,一家に一冊,あってもよい本です.

2006年11月3日金曜日

柳宗玄著作選6 サンティヤーゴの巡礼路


題名:柳宗玄著作選6 サンティヤーゴの巡礼路
著者: 柳 宗玄
発行:八坂書房 2005.6.10
ISBN:4896947541

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☆☆☆★★

サンティヤーゴの巡礼路について,たくさんの写真とともに書かれた本です.スペイン,フランス,ロマネスクに興味がある方に,お勧めです.なぜサンティヤーゴ巡礼が始まったなど,当時の時代背景についての記述が参考になりました.一度は歩いてみたいです.キリスト教徒というわけではありませんが.

図説 科学・技術の歴史 ピラミッドから進化論まで 前約3400年‐1900年頃


題名:図説 科学・技術の歴史 ピラミッドから進化論まで 前約3400年‐1900年頃
著者:平田 寛
発行:朝倉書店 2006.1.30
ISBN:4254102038

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☆☆☆★★

人類の科学・技術史について書かれた本です.タイトルにあるように,20世紀以降がありません.残念ですが,やむを得ない気もします.それだけ科学と技術の進歩が,発散的だったということだと思います.  科学史,技術史の本を読んで思うことがあります.ヒトは太古の昔からそれほど変わっていないのだなぁ,ということです.いまの私たちは様々な技術を使っているような気がしていますが,大部分の人は操作をしているだけです.きっと「原始人」(死語か?)でも使いこなすことができるでしょう.逆に,現代に活きる私たちから技術的なガジェットを取り去っても,生きていくことができるでしょうか? 科学,技術,文明について考えさせられます.

世界国勢図会 2005/06 世界がわかるデータブック


題名:世界国勢図会 2005/06 世界がわかるデータブック
編者: 矢野恒太記念会
発行:矢野恒太記念会 2005.9.1
ISBN:4875494351

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☆☆★★★

世界の国々の様々なデータが載っている本です.じつは1年前の本です.なかなか読む時間がないものですから,未読の本が溜まってます.これもやっと読んだ一冊.一家に一冊,このような本があってもいいのではないでしょうか.

2006年11月1日水曜日

webサイトスタイルガイド サイト構築のための基礎と原則


題名:webサイトスタイルガイド サイト構築のための基礎と原則
著者:パトリック・J・リンチ,サラ・ホートン
監訳:篠原 稔和
訳者:石田 優子
発行:東京電機大学出版局 2004.7.20
ISBN:4501537604

Web Style Guide
by Patrick J. Lynch, Sarah Horton

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☆☆☆★★

Webサイトをどのようにつくるとよいかというガイドラインをわかりやすく書いた本です.今読むと,少し古さを感じる部分もありますが,本質的には重要な事柄が多く書かれていて,役立つ本です.サイトを構築する前に読みたかった.今となっては,もう直す時間はありません...

自然界の非対称性 生命から宇宙まで


題名:自然界の非対称性 生命から宇宙まで
著者:フランク クロース
訳者:はやし まさる
発行:紀伊国屋書店 2002.3.23
ISBN:431400908X

Lucifer's Legacy : The Meaning of Asymmetry
by Frank Close

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☆☆☆☆★

私たちが存在することができるのは,自然が非対称であるからだ,ということをわかりやすく書かれた本です.お勧めです.たたし,たとえ話が多いので,なんだか煙に巻かれた気分になるかもしれません.それでも,この手の題材を扱う本の中ではよく書けていると思います.  最近(でもないか),右と左をよく言い間違えます.道案内する時など,大迷惑です.右も左もわからんのか,と言われたりしますが,でも,そんな時は,「右ってなに?」と訊いてみましょう.ほとんどの人は,どこまでも追求されると,答えに窮する筈です.この本を読んでおけば,答えられる筈です,きっと.

事典 古代の発明 文化・生活・技術


題名:事典 古代の発明 文化・生活・技術
著者:ピーター・ジェームズ,ニック・ソープ
訳者:矢島 文夫
発行:東洋書林 2005.12.16
ISBN:4887217102

Ancient Inventions
by Peter James, Nick Thorpe

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☆☆★★★

様々な物事の発明に着いてまとめた大部の本です.いろいろなことが書かれていて面白いのですが,各項目あたりの掘り下げが足りず,物足りなさを感じます.このての本では仕方ないのかもしれませんが.ただ,なぜか日本語訳では資料が省かれています.原書にはあるようですが,なぜ日本語版で省いてしまったのか,理解に苦しみます.網羅的な事典にすると項目あたりの記述が不足する,それを補うために資料へのインデックスを付ける,という方法が親切だと思います.現に原書ではそうなっているようです.まさか,翻訳した方々が,読者は資料にあたることはないと思ったわけではないでしょうが,残念です.  ただ,著者たちは,webページを資料として使って執筆したようです.恒久的ではないサイトもあるので,そこのところを配慮したのかもしれません(webの資料を載せると,陳腐化する!?).本を書くためにWebを使う時代になったようです.

水の道具誌


題名:水の道具誌
著者:山口 昌伴
発行:岩波書店 岩波新書 2006.8.18
ISBN:4004310326

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☆☆☆★★

水のまつわる道具についてまとめられている本です.するする読むことができました.  考えてみると,水を運ぶ,溜める,流すという動作に道具を使うのは,概ねヒトだけです(もちろん,ヒトに限るわけではありませんが,そちらに議論には踏み込まないことにします).これは,ヒトが大きいから必要になるものです.たとえば,アリは水を「啣える」ことができます.体の大きさに対して水の表面張力が大きいからです.その点,ヒトは不便ですね,手で水を掬っても,指の間から漏れてしまいます.しかし,悪いことばかりではありません,ヒトはお風呂に入ってもだいたいは平気ですが,アリの場合は危険です.一度水が体に着くと,なかなか取れません.体中を水が覆い,窒息死してしまいます.ヒトでよかった...