2015年2月28日土曜日

スキマの植物図鑑

題名:中公新書 カラー版 スキマの植物図鑑
著者:塚谷裕一
発行:中央公論新社(2014.3.25)

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☆☆☆☆☆

都会のスキマで見つけられる代表的な植物について書かれている本です.スキマにはえていると,窮屈で居心地の悪そうに思えるがじつは「楽園」という感覚が新しい.雑草が雑草ではなくなる本です.道端の草が気になる人は読むべし.

2015年2月23日月曜日

数学文章作法 推敲編

題名:ちくま学芸文庫 数学文章作法 推敲編
著者:結城浩
発行:筑摩書房(2014.12.10)

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☆☆☆☆★

推敲について書かれている『数学文章作法』シリーズの2冊目です.いかに読者の迷いや誤解を生まない文章にするのかが,丁寧に書かれています.前書に続いて学生に強く推奨.書いた文章を一度も読み返さずに他人に読ませることがいかに罪なことかがわかるはずです.

2015年2月21日土曜日

わたしの木、こころの木

題名:わたしの木、こころの木
著者:いせひでこ
発行:平凡社(2014.7.25)

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☆☆☆★★

雑誌『主婦之友』に連載された木にまつわる小さな絵本のような童話が12編収められている本です.各編の間に関連はあまりありません.いせひでこさんの絵を見ていると,少し昔の北海道の匂いが感じられます.

2015年2月20日金曜日

恐るべき旅路 火星探査機「のぞみ」のたどった12年 (復刻版)

題名:恐るべき旅路 火星探査機「のぞみ」のたどった12年 (復刻版)
著者:松浦晋也
発行:朝日新聞出版(2007.10.1, 復刻版2014.1.27)

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☆☆☆☆☆

火星探査機「のぞみ」の火星周回軌道への投入失敗について書かれいてる本です.不覚にも読んでいませんでしたが,「はやぶさ2」が飛行中の今だからこそ読むべき本だと思います.復刻版で読めることに感謝
(復刊ドットコムありがとう).「のぞみ」の努力が「はやぶさ」につながり,「はやぶさ」のねばりが「はやぶさ2」の運用の工夫に通じていることがよくわかります(初めから太陽光圧とリアクションホイール1機での姿勢制御とか).やはり,継続が大切なんだと実感します.宇宙行政に関わる方々にぜひ読んでいただきたい本です.

2015年2月19日木曜日

iTunes U と大学教育

題名:iTunes U と大学教育 Apple は教育をどのように変えるのか?
編者:アマルゴン
発行:ビー・エヌ・エヌ新社(2012.9.15)

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☆☆☆★★

Apple が提供するオープン・エデュケーショナル・プラットホームである iTunes U を大学で活用することについて書かれている本です.もっと早くに読まなければならなかったのですが,やっと読みました.内容はともかく,レイアウトがまずい.写真の中に流し込まれた文章がとても読みにくいので星ひとつ減点.

2015年2月18日水曜日

デジタルゲーム学習

題名:デジタルゲーム学習 シリアスゲーム導入・実践ガイド
著者:マーク・プレンスキー
訳者:藤本徹
発行:東京電機大学出版局(2009.4.20)

DIGITAL GAME-BASED LEARNING
by Marc Prensky
2001

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☆☆☆☆★

学習メディアとしてのデジタルゲームについて書かれている本です.学習者にとって有効な学習とは何かについて考えている方は必読です.原著の発行が古いので,第3部,第4部で例としてあげられているゲームや社会の状況はこの分野としては古めですが,第1部,第2部内容は未だ古くなってはいません.前半の半分だけでも価値があります.

2015年2月11日水曜日

SF映画で学ぶインタフェースデザイン

題名:SF映画で学ぶインタフェースデザイン アイデアと想像力を鍛え上げるための141のレッスン
著者:ネイサン・シェドロフ,クリストファー・ノエセル
監訳:安藤幸央
発行:丸善出版(2014.7.30)

Make It So / Interaction Design Lessons from Science Fiction
by Nathan Shedroff and Christopher Noessel
2012

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☆☆☆★★

SF映画の中のデザインを現実のデザインにどう生かせるかについて書かれている本です.着眼点とアイデアはいいのですが,このような内容にしては図版が足りません.翻訳がこなれていないことと相まって,読み進めるのが辛くなります.

2015年2月10日火曜日

サイエンスの発想法

題名:京都大学人気講義 サイエンスの発想法
著者:上杉志成
発行:祥伝社(2014.4.30)

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☆☆☆☆☆

化学と生物学を題材にアイデアを出す力を養う講義の抜粋が書かれている本です.やられたぁ,という感じです.この手があったか.講義のヒントをいくつか頂きました.

2015年2月8日日曜日

トリウム原子炉の道

題名:朝日選書 トリウム原子炉の道 世界の現況と開発秘史
著者:リチャード・マーティン,
訳者:野島佳子
発行:朝日新聞出版(2013.10.25)

SUPERFUEL
by Richard Martin
2012

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☆☆☆★★

トリウム原子炉について書かれている本です.原理はざっくりとは書かれていますが,主に歴史的な事柄が書かれています.なぜさまざまな点で優れていると思われるトリウムを使う原子炉が実用炉になっていないか,なぜウランを使う原子炉が主役になったかなどについて詳しく書かれています.興味深い内容だし,資料的な価値はあるのだと思いますが,私には詳細にすぎる印象です.

2015年2月5日木曜日

気球工学

題名:宇宙工学シリーズ 気球工学 成層圏および惑星大気に浮かぶ科学気球の技術
著者:矢島信之,井筒直樹,今村剛,阿部豊雄
発行:コロナ社(2004.3.10)

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☆☆☆★★

成層圏気球の工学的な面が体系的にまとめられている本です.気球もなかなか奥が深い.このような本があること自体が,すごいことです.買っておいてなんですが,何部くらい売れるのか心配になります.