2015年12月22日火曜日

人はいかに学ぶか 日常的認知の世界

題名:中公新書 人はいかに学ぶか 日常的認知の世界
著者:稲垣佳世子,波多野誼余夫
発行:中央公論新社(1989.1.25)

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☆☆☆☆★

いわゆる「新しい学習観」に基づく教育について書かれている本です.アクティブラーニングが流行る今こそ,読んでおきたい本です.とくに,学習者が能動的に動きさえすればアクティブラーニングだと思っている教育関係者必読.

2015年12月15日火曜日

周期表 いまも進化中

題名:サイエンス・パレット
周期表 いまも進化中
著者:エリック・R・シェリー
訳者:渡辺正
発行:丸善出版(2013.5.30)

The Periodic Table
A Very Short Introduction
by Eric R. Scerri
2011

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☆☆☆☆★

周期表の歴史と展望(?)が書かれている本です.化学の教科書にあった周期表が絶対に正しいと思っている方にオススメ.113番元素の名前が決まる前に読んでおきたい本です.

2015年12月14日月曜日

元素 文明と文化の支柱

題名:サイエンス・パレット 元素 文明と文化の支柱
著者:フィリップ・ボール
訳者:渡辺正
発行:丸善出版(2013.11.25)

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☆☆☆☆★

歴史や暮らしと関係の深い元素について書かれている本です.化学がいかに生活に密着しているか,改めて感じさせられます.化学の勉強
なんて役に立たないと思っているあなたへ.

2015年12月9日水曜日

化学 美しい原理と恵み

題名:サイエンス・パレット 化学 美しい原理と恵み
著者:ピーター・アトキンス
訳者:渡辺正
発行:丸善出版(2014.3.25)

What is Chemistry ?
by Peter Atkins
2013

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☆☆☆☆★

化学の教科書の著者として有名な著者による,化学とは何かについて優しい語り口で書かれた本です.語り口は優しいが,内容はちょっと難しめかも.理系を目指す中高生にオススメ.

2015年12月7日月曜日

数式なしでわかる物理学入門

題名:祥伝社新書 数式なしでわかる物理学入門
著者:桜井邦朋
発行:祥伝社(2011.7.10)

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☆☆★★★

力学から素粒子論まで数式なしでもわかる,という触れ込みの本です.この手の本にありがちな,わかっている人には分かるだろうけど,知らない人には分からない,という説明になってしまっています.数式がなければ分かりやすくなるということではなく,概念の積み重ねがなければわからないことをたとえ話で説明したことにしているのが問題.

2015年12月5日土曜日

ヒトの本性 なぜ殺し,なぜ助け合うのか

題名:講談社現代新書 ヒトの本性 なぜ殺し,なぜ助け合うのか
著者:川合伸幸
発行:講談社(2015.11.20)

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☆☆☆☆★

比較認知科学の専門家によるヒトの心についての本です.よくまとまっていて面白い本です.ヒトの心についての研究って,自分の化けの皮を剥いでいくようで,不愉快に感じるヒトもいるかもしれませんが,そういう方にこそ
オススメ.

2015年12月1日火曜日

宇宙を動かす力は何か 日常から観る物理の話

題名:新潮新書 宇宙を動かす力は何か 日常から観る物理の話
著者:松浦壮
発行:新潮社(2015.11.20)

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☆☆☆★★

物理学者が数式なしで物理を伝えようとする本です.「数式なしで物理」というジャンルって,需要があるんですかね.しかもほとんどのたとえ話がどこかからの真似だったりするので,どの本見ても同じようなことしか書いてない.それでもこの本では,AKB48の総選挙を持ち出したあたりが新しいのでマシな方.ただ,その比喩はねぇ,という感じですが.

2015年11月27日金曜日

ヒッグス粒子の謎

題名:祥伝社新書
ヒッグス粒子の謎
著者:浅井祥仁
発行:祥伝社(2012.9.10)

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☆☆☆☆★

LHCのアトラス実験に参加する研究者によるヒッグス粒子について書かれている本です.この手の本にしてはよく書けていると思います.このところ,研究者による一般向けの啓蒙書って,年寄りよりも若い人の方が上手い印象ですが,その典型のうまさだと思います.

2015年11月25日水曜日

眠りにつく太陽 地球は寒冷化する

題名:祥伝社新書
眠りにつく太陽 地球は寒冷化する
発行:桜井邦朋
発行:祥伝社(2010.10.10)

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☆☆★★★

太陽の研究者による太陽活動と地球の寒冷化について書かれている本です.太陽の活動は弱くなっていて地球は寒冷化すると予想しています.主張が正しいかどうかはともかく,その根拠の示し方が一面的なのが気になります.

2015年11月24日火曜日

空の上の格差社会 賢いビジネスクラスの選び方

題名:平凡社新書 空の上の格差社会 賢いビジネスクラスの選び方
著者:杉浦一機
発行:平凡社(2015.6.15)

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☆☆☆☆★

航空旅行の歴史とクラス分けの事情について書かれている本です.知らないことがいっぱいでした.エコノミークラスの機内食がワンプレートなのには,そんなわけがあったとは.
ビジネスクラスには手が出ない私たちにも楽しめる本です.

2015年11月21日土曜日

間取り図大好き!

題名:
間取り図大好き!
編者:間取り図ナイト
発行:扶桑社(2013.2.1)

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☆☆☆★★

ヘンな間取り図を集めた本です.面白いのですが,間取り図と実態のギャップの本がもっと面白くなりそうだと思います.取材が大変そうですが.まあ,楽して本にするなら,この手かなと.

2015年11月17日火曜日

大人のための「恐竜学」

題名:祥伝社新書
大人のための「恐竜学」
監修:小林快次
著者:土屋健
発行:祥伝社(2013.10.10)

--

☆☆☆☆★

恐竜についての大人のための入門書という本です.確かに,恐竜についてのあれこれは進歩が早いので,子供の方が最新の知識を持ってたりするので,面白い企画です.ウェブ上で募集した質問に答えていく形式も面白い,というか興味深いです.

2015年11月16日月曜日

科学は,どこまで進化しているか

題名:祥伝社新書 科学は,どこまで進化しているか
著者:池内了
発行:祥伝社(2015.8.10)

--

☆☆☆★★

科学の最新の知見をわかりやすく解説しようとした本です.内容はともかく,題名に「進化」とつけるのはどうなんでしょう.中では進化を解説してるのに.

2015年11月12日木曜日

浦島太郎は,なぜ年をとらなかったか アインシュタインと遊ぶ

題名:祥伝社新書 浦島太郎は,なぜ年をとらなかったか アインシュタインと遊ぶ
著者:山下芳樹,白石拓
発行:祥伝社(2005.11.5)

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☆☆★★★

いくつかの思考実験を取り上げて天才と呼ばれる科学者の思考過程を解説しようと試みた本です.サプタイトルに「アインシュタインと遊ぶ」とありますが,取り上げられているのはアインシュタインだけではありません.試みとしては面白いと思いますが,成功しているかというと,うーん.

2015年11月11日水曜日

人物で語る数学入門

題名:岩波新書 人物で語る数学入門
著者:高瀬正仁
発行:岩波書店(2015.5.20)

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☆☆☆☆★

デカルト,フェルマー,ライプニッツ,オイラー,ガウスといった数学者たちがどのように考えたのかについて書かれている本です.ある程度数学がわかる人にオススメ.さらっと読むのには向かない本です.

2015年11月10日火曜日

化学で「透明人間」になれますか? 人類の夢をかなえる最新研究15

題名:光文社新書 化学で「透明人間」になれますか? 人類の夢をかなえる最新研究15
著者:佐藤健太郎
発行:光文社(2014.12.15)

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☆☆☆☆★

主に化学の研究動向が紹介されている本です.形式が秀逸.『小説現代』に連載されていたとのことですが,サトシ博士とショウコの掛け合いが上手い.やられました.

p57から宇宙エレベーターについて言及されています.この部分は化学ではないと思いますが,それでもとりあげたくなるくらいに宇宙エレベーターが魅力的だということにしておきましょう.ただ,破断長と実際に静止軌道からケーブルを吊り下げた時に切れる長さがはっきり区別されていません.誤解の多いところなので,修正してほしいなぁ.

2015年11月6日金曜日

人と「機械」をつなぐデザイン

題名:人と「機械」をつなぐデザイン
編者:佐倉統
発行:東京大学出版会(2015.2.24)

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☆☆☆★★

デザインという視点から人と機械の関係を問い直し未来社会を展望したとする本です.期待していた内容ではなかったということもありますが,内容が薄い.インタビューが多いせいでしょうか.残念.

2015年10月28日水曜日

ファインマンさん 最後の授業

題名:ファインマンさん 最後の授業
著者:レナード・ムロディナウ
訳者:安平文子
発行:メディアファクトリー(2003.11.30)

FEYNMAN'S RAINBOW : A SEACH FOR BEAUTY IN PHYSICS AND IN LIFE
by Leonard Mlodinow
2003

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☆☆☆★★

物理の研究者からハリウッドの脚本家に転身した著者がファインマンさんとの思い出を語る本です.タイトルに騙されてはいけません.というか,ずっと「積ん読」でなかなか手が出せなかったのは,ファインマンさんがした最後の授業についての本だと思ってたからで,完全に騙されてたわけですが.その分星ひとつ減点.

2015年10月21日水曜日

進化とは何か ドーキンス博士の特別講義

題名:進化とは何か ドーキンス博士の特別講義
著者:リチャード・ドーキンス
訳者:吉成真由美
発行:早川書房(2014.12.25)

GROWING UP IN THE UNIVERSE
by Richard Dawkins
2014

--

☆☆☆★★

ドーキンスによるイギリス王立研究所のクリスマス・レクチャーをまとめた本です.さすがドーキンス,うまくまとまってます.

2015年10月19日月曜日

犬の科学 ほんとうの性格・行動・歴史を知る

題名:犬の科学 ほんとうの性格・行動・歴史を知る
著者:スティーブン・ブディアンスキー
訳者:渡植貞一郎
発行:築地書館(2004.2.15)

THE TRUTH ABOUT DOGS
by Stephen Budiansky
2000

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☆☆☆☆★

生物学に基づいて犬につい書かれている本です.犬好きにオススメ.犬に関するあれこれの誤解も解けるといいのですが.

2015年10月10日土曜日

ヘリックスの孤児

題名: ハヤカワ文庫 ヘリックスの孤児
著者: ダン・シモンズ
訳者: 酒井昭伸,嶋田洋一
発行: 早川書房(2009.12.25)

WORLDS ENOUGH & TIME
Dan Simmons
2002

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☆☆☆☆★

ダン・シモンズの短編,中編集です.短いお話も面白いのですが,やはりダン・シモンズは長編の読み応えがたまりません.

2015年10月9日金曜日

ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか

題名: ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか
著者: ランドール・マンロー
訳者: 吉田三知世
発行: 早川書房(2015.6.25)

WHAT IF?
Serious Scientific Answers to Absurd Hypothetical Questions
Randall Munroe
2014

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☆☆☆☆☆

漫画家の著者のウェブサイトに投稿された突拍子もない質問に著者が科学的に答える,という本です.面白い.やられた感が満載です.こんな本を書きたかった.違う手を考えなきゃ.

2015年9月30日水曜日

大人の直観 vs 子どもの論理

題名: 岩波科学ライブラリー 大人の直観 vs 子どもの論理
著者: 辻本悟史
発行: 岩波書店(2015.8.25)

--

☆☆☆☆★

科学の目を通した人間観察がさまざまな視点から書かれている本です.みんななんとなくそうじゃないかな,と思っていることが,調べてみるとそうでもない,ということ,結構ありますよね.そんな感じのことが出てきます.

2015年9月25日金曜日

進化する魚型ロボットが僕らに教えてくれること

題名: 進化する魚型ロボットが僕らに教えてくれること
著者: ジョン・H・ロング
訳者: 松浦俊輔
発行: 青土社(2013.8.29)

DARWIN'S DEVICES: What Evolving Robots Can Teach Us About the History of Life and the Future of Technology
by John Long
2012

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☆☆☆★★

進化する魚型ロボットで脊椎動物の初期の進化を調べた結果について書かれている本です.計算機の中ではなく,実際にロボットを作ってシミュレートしているのが面白い.ただ,とても読みにくいのが残念.

2015年9月24日木曜日

漫画原論

題名: ちくま学芸文庫 漫画原論
著者: 四方田犬彦
発行: 筑摩書房(1999.4.8)

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☆☆☆☆★

漫画を形作る「文法」について多角的に書かれきいる本です.資料として購入したのに,面白い.興味深い事がいろいろ書かれていました.
文庫本なのに巻頭ではなく途中にカラーページがあります.

2015年9月15日火曜日

海を見る人

題名: ハヤカワ文庫 海を見る人
著者: 小林泰三
発行: 早川書房(2005.5.31)

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☆☆☆★★

小林泰三のSF短編集です.ハードっぽい設定の短編,大好きです.自分を奮い立たせるために読書.

2015年9月11日金曜日

マンブル,僕の肩が好きなフクロウ

題名:マンブル,僕の肩が好きなフクロウ
著者:マーティン・ウィンドロウ
訳者:宇丹貴代実
発行:河出書房新社(2014.10.30)

THE OWL WHO LIKED SITTING ON CAESAR: Life With A Lovable Tawny Owl
by Martin Windrow
2014

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☆☆☆★★

モリフクロウをペットとして飼っていた著者による,フクロウとの生活についてのあれこれが書かれている本です.猛禽類は飼うのは大変だけど得難い経験ができる,という話は聞きますが,まさにそんな感じです.ラストは,ペットの QOL について考えさせらる人もいるかも.フクロウを飼ってみたいと考えている人にオススメ.

2015年9月10日木曜日

天使の憂鬱 ダーティペアFLASH 1 / 天使の微笑 ダーティペアFLASH 2 / 天使の悪戯 ダーティペアFLASH 3

題名:ハヤカワ文庫 天使の憂鬱 ダーティペアFLASH 1 / 天使の微笑 ダーティペアFLASH 2 / 天使の悪戯 ダーティペアFLASH 3
著者:高千穂遙
発行:早川書房(1999.5.15 / 1999.7.15 / 1999.9.30)

--

☆★★★★

積ん読棚卸しちう.

著者が,対照的な女性ふたりを主人公とする「ダーティペア・コンセプト」を確かめようとして書いた,ダーティペアの派生シリーズです.これは酷い...

2015年9月9日水曜日

ダーティペアの大復活

題名:ハヤカワ文庫 ダーティペアの大復活 ダーティペア・シリーズ5
著者:高千穂遙
発行:早川書房(2007.1.31)

--

☆☆★★★

積ん読棚卸しちう.

結構長いブランクの後のダーティペアです.いま読むと,うーん,な感じです.

2015年9月8日火曜日

中学生までに読んでおきたい日本文学1 悪人の物語

題名:中学生までに読んでおきたい日本文学1 悪人の物語
編者:松田哲夫
発行:あすなろ書房(2010.11.30)

--

☆☆☆☆★

筑摩書房の編集をされていた方が,日本文学の中から悪人が出てくるお話を集めた本です.こういうアンソロジーが面白いのは,自分では選ばないようなお話に出会えることで,その意味で良い本です.「中学生までに」というテーマのようですが,ちいと難しめのお話も混ざってます.狙ってのことなのでしょうけど.

2015年9月3日木曜日

新版 アフォーダンス

題名:岩波科学ライブラリー 新版 アフォーダンス
著者:佐々木正人
発行:岩波書店(2015.1.9)

--

☆☆☆★★

ギブソンが提唱したアフォーダンスを紹介している本です.1994年に同じく岩波科学ライブラリーから出た旧版をもとに改訂されています.コンパクトにまとまっているので,アフォーダンスについて知りたい方にオススメ(なにしろ,ギブソンの本は諄くて読みにくいので,ちょっと知りたいという方には不向きなのです).資料として購入.

2015年9月2日水曜日

アノスミア わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語

題名:アノスミア わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語
著者:モリー・バーンバウム
訳者:ニキリンコ
発行:勁草書房(2013.9.20)

SEASON TO TASTE
by Molly Birnbaum
2011

--

☆☆☆☆★

一流シェフを目指していた著者が交通事故で嗅覚を失ったことをきっかけに,嗅覚についてのさまざまなことに取り組んだことが書かれている本です.知らないことがたくさん書かれていました.興味深い内容の本です.ただ,なにしろ嗅覚についての本なので,匂いや香りの記述が多いのですが,知らない匂いや香りについては想像することすらできません(ということも本の中に書かれてはいますが).残念でもあり,そこにあえて挑んだ著者のお手並み拝見というところが読みどころでもあります.

2015年9月1日火曜日

航路

題名:航路 上巻・下巻
著者:コニー・ウィリス
訳者:大森望
発行:ソニー・マガジンズ(2002.10.10)

PASSAGE
by Connie Willis
2001

--

☆☆☆☆☆

臨死体験をテーマにしたお話です.傑作なのは知っていたのですが,なにしろ2段組みで上下巻合わせて800ページを超える大作なので,なかなか読み始めることができずにいました.が,一度読み始めてしまえば,一気に最後まで読ませられてしまいます.さすが,コニー・ウィリス.うまい.『ドゥームズデイブック』の時もそうでしたが,読了後の喪失感が半端ではありません.なんかもう,いろんなことが手につかなくなる感じ(いい意味で).間違いなく傑作です.すべてのおはなし好きにオススメ.ただし,覚悟して読み始めてください.読み終えるまで,他のことができなくなります.

ちなみに,後半で大どんでん返しがあり,呆然とします.この後どうなるの,と不安になりますが,最後までにキチンと解決(?)されます.ホント,うまい.

いまはハヤカワ文庫で読むことができます.

2015年8月25日火曜日

ヴァーチャル日本語 役割語の謎

題名:〈もっと知りたい! 日本語〉ヴァーチャル日本語 役割語の謎
著者:金水敏
発行:岩波書店(2003.1.26)

--

☆☆☆☆☆

現実には存在しなくてもいかにもそれらしく感じてしまう言葉づかい「役割語」について書かれている本です.たとえば,博士が「…じゃ」と言うのは漫画の世界で,実際の博士はそんな言葉遣いはせんのお.この博士の「…じゃ」のように,ステレオタイプを想起させる語を「役割語」と定義して,その役割語について説いていますのよ.今まであまり考えずに書いていたことが,そういう意味だったんだ,と改めて気づかされたにゃ.この本,よろしくってよ.

吸血鬼にっき 2

題名:ぶんか社コミックス 吸血鬼にっき 2
著者:あづま笙子
発行:ぶんか社(2015.8.1)

--

☆☆☆☆★

拙著『マンガでわかる微分方程式』のマンガを担当していただいた,あづま笙子さんの4コママンガ単行本です.2巻目で完結.残念です.もっと読みたかった.終盤,畳み掛けるようにお話が進んでしまい,あれあれという間に終わってしまうので,☆ひとつ減らしました(大人の事情はわかるのですが).次回作,期待してます.

2015年8月23日日曜日

実践 日本人の英語

題名:岩波新書 実践 日本人の英語
著者:マーク・ピーターセン
発行:岩波書店(2013.4.19)

--

☆☆☆☆★

『日本人の英語』のマーク・ピーターセンによる実践編です.書かれている内容は,なるほど,と納得できることばかりで,実践したくなるものばかりですが,すぐ忘れてしまうんですよね.身につくまで読み込め,ということか.

2015年8月22日土曜日

複雑な世界,単純な法則

題名:複雑な世界,単純な法則 ネットワーク科学の最前線
著者:マーク・ブキャナン
訳者:阪本芳久
発行:草思社(2005.3.3)

Nexus: Small World and the Groundbreaking Science of Networks
by Mark Buchanan
2002

--

☆☆☆★★

いわゆるスモールワールドについて書かれている本です.例示が多く,丁寧に書かれています.その分しつこいのは仕方がないのでしょうか.世の中のすべてがスモールワールドで説明できる,という感じで書かれているので,鼻につく方がいるかもしれません.スモールワールドってなに,という方にオススメ.

2015年8月17日月曜日

犬は勘定に入れません あるいは,消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

題名:海外SFノヴェルズ 犬は勘定に入れません あるいは,消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
著者:コニー・ウィリス
訳者:大森望
発行:早川書房(2004.4.15)

TO SAY NOTHING OF THE DOG
by Connie Willis
1998

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☆☆☆☆☆

オックスフォード大学史学部タイムトラベルものの,SF というかミステリーというかラブコメというかユーモア小説です.姉妹作の『ドゥームズデイ・ブック』は小説の世界から抜けられなるなる面白さでしたが,ちと話が暗かったのに対して,こちらは悲壮感はなく明るい話です.ジェローム・K・ジェロームのユーモア小説『ボートの三人男』にオマージュだからでしょうか.いまは文庫版が手に入ります.


2015年8月4日火曜日

戸田盛和エッセイ集 I おもちゃと金米糖 / II 物理と創造

題名:戸田盛和エッセイ集I おもちゃと金米糖
著者:戸田盛和
発行:岩波書店(2002.4.22)
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題名:戸田盛和エッセイ集II
物理と創造
著者:戸田盛和
発行:岩波書店(2002.4.22)

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☆☆☆★★

物理学者で「おもちゃ博士」の戸田盛和のエッセイを集めた本です.同じ著者の本を続けて読むと,同じエピソードが何度も出てくることがありますが,この著者はその典型です.ネタがないのに執筆を引き受けてしまったのでしょうか(同じネタでも書いてほしいと編集が言ったか).内容は面白いし,文章も上手いのに,残念です.資料として購入.

2015年8月3日月曜日

Q&Aでわかる物理科学 ー825の身近な疑問にお答えしますー 1-3

題名:Q&Aでわかる物理科学 ー825の身近な疑問にお答えしますー 1 運動とエネルギー
著者:P. Erik Gundersen
監訳:山下芳樹
訳者:工藤善輝,山本逸郎
発行:丸善出版(2003.4.1)
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題名:Q&Aでわかる物理科学 ー825の身近な疑問にお答えしますー 2 熱と波
著者:P. Erik Gundersen
監訳:山下芳樹
訳者:工藤善輝,山本逸郎
発行:丸善出版(2003.5.30)
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題名:Q&Aでわかる物理科学 ー825の身近な疑問にお答えしますー 3 電磁気と現代物理
著者:P. Erik
Gundersen
監訳:山下芳樹
訳者:工藤善輝,山本逸郎
発行:丸善出版(2003.7.30)

The Handy Physics Answer Book
by P. Erik Gundersen
1999

--

☆☆☆★★

アメリカの高校で物理を教えていた人がみじかな疑問に物理で答える形式で書いた本です.質問の項目とその回答には面白いものもありますが,答えになっていないものも結構あります.資料として購入.


2015年7月30日木曜日

おもちゃの科学 第1巻-第6巻

題名:おもちゃの科学 第1巻-第6巻
著者:戸田盛和
発行:日本評論社(1995)

--

☆☆☆★★

物理学者で「おもちゃ博士」の戸田盛和のおもちゃにまつわるエッセイを集めた本です.同じおもちゃが何度も出てくるのが残念.資料として購入.いまはセレクションが手に入るようです.

2015年7月26日日曜日

イースター島を行く モアイの謎と未踏の聖地

題名:中公新書 イースター島を行く モアイの謎と未踏の聖地 カラー版
著者:野村哲也
発行:中央公論新社(2015.6.25)

–-

☆☆☆☆★

イースター島の素顔を描くことに挑戦したと著者が語る本です.写真が多く,綺麗で読み進みやすいです.なかなかディープそうなことが書かれているので,下手なガイドブックより使えるかも.問題は,いつになったらイースター島に行けるのか,ということです.ほんと,行ってみたいんだけど,遠い.

『文明崩壊』で書かれて有名になった,イースター島に木が1本もないのは島民が切っちゃったから説への反論が紹介されていて.なんかこっちの方がもっともらしい.考古学的,遺伝学的に決着がつけられそうな説なので,はっきりすると思うのですが,まだ結論は出てないのかな

2015年7月25日土曜日

ラッフルズ・ホームズの冒険

題名:論創海外ミステリ ラッフルズ・ホームズの冒険
著者:J. K. バングズ
訳者:平山雄一
発行:論創社(2013.2.28)

R. HOLMES & CO. AND SHYLOCK HOLMES STORIES
by J. K. Bangs
2013

--

☆☆☆★★

ひとりの作家によるシャーロック・ホームズの2種類のパロディが載っている短編集です.しかも面白いのが,この作家がコナン・ドイルと面識があったとのこと.本書が発行されたのは2013年ですが,お話が書かれたのは,1903年と1905年.なるほど,訳者あとがきを読まないと,シロウトさんにはその状況がわからないのだよ.ラッフルズ・ホームズとシャイロック・ホームズという2種類のお話が載っていますが,ラッフルズ・ホームズの方が面白いし,現代でも通じる.版元もそう判断してタイトルを付けたのでしょうか.

2015年7月22日水曜日

夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語

題名:夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語
著者:カズオ・イシグロ
訳者:土屋政雄
発行:早川書房(2009.6.15)

NOCTURNES
Five Stories of Music and Nightfall
by Kazuo Ishiguro
2009

--

☆☆☆☆★

音楽に関連する5編の短編が収められている本です.著者は,日本生まれのイギリス人.面白いです.それぞれの短編にもう少し絡み合いがあると,もっと面白かったかも.

2015年7月21日火曜日

サイエンス・ブック・トラベル

題名:サイエンス・ブック・トラベル 世界を見晴らす100冊
著者:山本貴光
発行:河出書房新社(2015.3.20)

--

☆☆☆★★

シロウトでも最先端がわかる1冊は,とのお題に,25人の科学者がそれぞれ本を紹介している本です.書き手としても有能な方々が書いているので,読みやすく,面白い(なかにはトンチンカンな人もいますが).自然科学の面白い本ないかな,という方に,ガイドとしてオススメです.

2015年7月18日土曜日

コンクリート・アイランド

題名:コンクリート・アイランド
著者:J. G. バラード
訳者:大和田始,国領昭彦
発行:太田出版(2003.9.12)

concrete island
by J. G. Ballard
1973

--

☆☆☆★★

高速道路で閉ざされた三角地帯から脱出しようとする男のお話です.うーん,バラードですね.以上.

2015年7月17日金曜日

偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

題名:偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか
著者:マリオ・リヴィオ
訳者:千葉敏生
発行:早川書房(2015.1.25)

BRILLIANT BLUNDERS
From Darwin to Einstein--Colossal Mistakes by Great Scientists That Changed Our Understanding of Life and the Universe
by Mario Livio
2013

--

☆☆☆★★

有名な科学者の間違いについて書かれている本です.かなりしつこい人なのでしょうか,よく調べてあるなぁ,という感じです.それがよいところなのですが,よくないところでもあります.原題の副題を見れば想像できると思いますが,文章もしつこい.原著は読んでいませんが,翻訳のせいだけではないと思います.内容は興味深いが,読み進むのに気合が入ります.