2021年3月26日金曜日

Understanding Comics


題名:Understanding Comics

著者:Scott McCloud

発行:HarperPerennial(1994)


Understanding Comics

by Scott McCloud

1994


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☆☆☆☆☆


コミックスや漫画の世界について描かれている本です.歴史や意味などについて,詳細に考察しています.これはペーパーバック版ですが,オリジナル版が発行されたのが1993年と古めですが,今でも発行されていることからも想像できるように,内容はあまり古くなってはいません.取り上げている例が古くなっているのは仕方がないし,技術的なことも古くはなっていますが.英語ですが,日本の漫画についてもとうぜん触れられています.

2021年3月25日木曜日

英語独習法


題名:岩波新書 英語独習法

著者:今井むつみ

発行:岩波書店(2020.12.18)


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☆☆☆☆★

認知科学に基づく英語の学習法やその仕組みが書かれている本です.英語に限らず,巷で聞く学習法は怪し気なのが多い気がしますが,そういう耳障りのいい方法が気になる方に,ご一読を薦めます.どのような分野の学習についてもいえることが,多く指摘されています.ちなみに,この本を読んでも英語ができるようにはなりませんが,効果が望めないことに時間とお金を費やすのを避けることはできます.

2021年3月4日木曜日

ハリウッド映画に学ぶ「死」の科学


題名:ハリウッド映画に学ぶ「死」の科学

著者:リック・エドワーズ,マイケル・ブルックス

訳者:藤崎百合

発行:草思社(2021.1.28)


Hollywood Wants To Kill You / The peculiar Science of Death in the Movies

Rick Edwards and Michael Brooks

2019


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☆☆☆★★


ハリウッド映画における死の扱われかたとその実際について書かれている本です.日本語タイトルから想像するほど,科学的には書かれていません.各節のはじめにある著者ふたりの SNS 風の掛け合いや,内容を斬ったようなコラムの入りかたが独特で,馴染めませんでした.著者たちのスタイルも,いろいろと茶化して書いている割に,自分たちも間違っていたりして,ちょっと恥ずかしい感じです.

46ページにあるグラフの横軸の目盛は,著者たち自身が「対数スケールに近い形で表現した」と書いてはいますが,それにしても酷い.対数軸にしなかったのはなぜなのだろう.

61ページの5行目に「大きな隕石同士が衝突して惑星が形成」とありますが,地表に落ちてこないと「隕」石にはならないので,「小天体同士」などとしておくべき.

120ページの2行目に「ワニやアリゲーターが」とありますが,アリゲーターもワニなので,「クロコダイルやアリゲーターが」だと思います.

184ページの9行目に「その幹細胞を幹細胞に戻した」とありますが,「その体細胞を幹細胞に戻した」の誤り?

194ページの最後の行に「ISSの液圧式フックによってドラゴンがドッキングポートへと」とありますが,「液圧式フック」って何でしょうね.文脈からすると「カナダーム2」のことかなと思いますが,あれは電動で油圧のような液圧は使っていないと思うのだけど.原著を見てみたい.