2021年2月25日木曜日

批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義


題名:中公新書 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

著者:広野由美子

発行:中央公論新社(2005.3.25)


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☆☆☆★★


メアリー・ シェリーの『フランケンシュタイン』を題材として小説の仕組みと読み方について書かれている本です.技法と批評の二部構成になっています.批評についてはあまり知らなかったので,多様な読み方ができるものだなぁ,と感心しました.世に出た小説は作者のものではない,という印象です.

2021年2月17日水曜日

アニマンラスト アニメ・マンガ・イラストの作法


題名:アニマンラスト アニメ・マンガ・イラストの作法

著者:田中達之

発行:復刊ドットコム(2019.2.28)


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☆☆☆☆★


アニメやイラスト,漫画の描き方について書かれている本です.テクニカルなことも書かれていて参考になりますが,アニメ業界の闇的なことも書かれていて興味深かった.おそらくアニメ業界に限ったことではなく,日本の社会にいえることのように感じました.

2021年2月15日月曜日

MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本


題名:図解入門ビジネス 最新 MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本

著者:望月慎

発行:秀和システム(2020.4.1)


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☆☆★★★


現代貨幣理論(MMT)について書かれている本です.「はじめに」には「平易な形で改めて書いて」みたとありますが,平易というより簡略化して書いた感じで,経済学についての背景知識がないとよくわかりません.まあビジネス書なので,そういう人が想定読者なのかもしれませんが.

銀河の片隅で科学夜話


題名:銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る,すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異

著者:全卓樹

発行:朝日出版社(2020.2.10)


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☆☆☆★★


科学についてのあれやこれやが書かれている本です.私の好みからすると抒情的すぎるように感じますが,世間的にはこういうのが好まれるようです.短く短時間で読み切れるエッセイ,なんとなく関係がありそうでよくわからない図版,中盤はそうでもないが序盤と終盤に炸裂する詩情,あたりが受ける要素でしょうか.

アクティブ科学英語 読解型から発信型へ


題名:アクティブ科学英語 読解型から発信型へ

著者:多田旭男,中平 隆幸,上松敬禧,中野勝之

発行:三共出版 (1997.5.1)


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☆☆☆★★


科学(主に化学)の論文や発表にまつわる英語について書かれている本です.科学的な内容に関してはいいのですが,出版年が前世紀とあって流石に古さを感じます.資料として.


21ページに 10^9 の接頭辞 “giga [G]” の説明として「コンピューター用語.情報量を表す」とあるのは要修正です.

2021年2月7日日曜日

街の公共サインを点検する 外国人にはどう見えるか


題名:街の公共サインを点検する 外国人にはどう見えるか

著者:本田弘之,岩田一成,倉林秀男

発行:大修館書店(2017.8.10)


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☆☆☆★★


街中などに掲示されている看板や案内表示について書かれている本です.とくに,外国から来た人たちからどう見られるか,という視点で書かれています.科研費の報告書を一般向けに改訂した感じです.資料として.

2021年2月6日土曜日

カラー図解 地球科学入門


題名:カラー図解 地球科学入門 地球の観察 地質・地形・地球史を読み解く

著者:平朝彦,国立研究開発法人海洋研究開発機構

発行:講談社(2020.11.17)


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☆☆☆☆★


固体地球について写真や図を使って解説している本です.カラーの写真や図が豊富で,2500円はお買い得です.解説も手抜きなしでやや難しく感じるかもしれませんが,別冊の「用語解説」がついているので心配いりません.資料として.

ふだん使いの言語学 「ことばの基礎力」を鍛えるヒント


題名:新潮選書 ふだん使いの言語学 「ことばの基礎力」を鍛えるヒント

著者:川添愛

発行:新潮社(2021.1.25)


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☆☆☆★★


『白と黒のとびら』や『聖者のかけら』などの著者による言語学の役に立つ面が書かれている本です.四章構成のうち,第三章が役に立ちそうな印象でした.ふたつの文が互いを含意するかのテストは知らなかった.これから使わせていただきます.SNSなども含めて日本語を「使う」人は読んでおくことを勧めます.

2021年2月3日水曜日

うんちの行方

題名:新潮新書 うんちの行方

著者:神舘和典,西川清史

発行:新潮社(2021.1.20)


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☆☆☆★★


排泄物のその後について書かれている本です.前半は大変面白く読みましたが,途中から失速感あり
.うんの尽き,でしょうか.期待が大き語っただけに,残念です.汚泥の山にトマトなどが生える,という話は興味深かった.

2021年2月2日火曜日

死を招くファッション

題名:死を招くファッション 服飾とテクノロジーの危険な関係

著者:アリソン・マシューズ・デーヴィッド

訳者:安部恵子

発行:化学同人(2019.11.30)


Fashion Victims / The Dangers of Dress Past and Present

by Alison Matthews David

2015


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☆☆☆☆★

衣服や装飾品のデザインや素材に起因する悲惨な出来事について書かれている本です.紹介されている個々の事例は,エピソードとしてはよく知られていることが多いのですが,とてもよく調べられています.自分が身につけている服などについて,考えてみるよい機会になると思います.衝撃的な写真なども掲載されているので,知らずにページを繰るとどきっとすることがあるかもしれません.