2019年4月26日金曜日

駄目な世代

題名:駄目な世代
著者:酒井順子
発行:KADOKAWA(2018.12.15)

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☆☆★★★

いわゆる「バブル世代」にまつわるあれやこれやが書かれている本です.同世代のひとりとして,なんとなく「駄目感」というか「残念感」は共感できるので,どんな内容かと思って読んでみました.同世代の著者が書いているので懐かしさはありますが,バブルとは無縁の世界でその時代を過ごした身としては,あまりよくわからないな,という感想です.まぁ,そんなふうに感じる人たちもいるのね,と.

世界史とつなげて学べ 超日本史

題名:世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史
著者:茂木誠
発行:KADOKAWA (2018.2.16)

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☆☆☆★★

日本史を世界史とつなげるようにして書かれている本です.題名から受ける印象ほど,世界史からみた日本史観が書かれているわけではありません.世界史的に書かれていて面白い部分もあるので,読んでみると発見があるかもしれません.ただ,ここに書かれている歴史が史実なのかどうかを確かめる方法がないのが残念です.

2019年4月24日水曜日

ベストセラーはもういらない

題名:ベストセラーはもういらない
著者:秦隆司
発行:ボイジャー(2018.12.18)

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☆☆★★★

電子本とオンデマンド本を出版する返本率0の出版社をつくった方へのインタビューを中心に,アメリカの出版事情などについて書かれている本です.アメリカの新聞や出版の状況はなんとなくわかるのですが,その周辺で語られる個人のエピソードに興味が持てませんでした.アメリカの事情を知りたい方には面白いのかもしれませんが,一般化して考えることができるほどのことは書かれていないように思います.Kindle版にて.

2019年4月13日土曜日

マンガでわかる機械学習

題名:マンガでわかる機械学習
著者:荒木雅弘,渡まかな,ウェルテ
発行:オーム社(2018.8.10)

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☆☆☆☆★

機械学習についてマンガで説明している本です.説明にマンガが有効に使われている印象で,機械学習につい概観するのに向いていると思います.解説とストーリー展開のバランスもいいと思います.

2019年4月12日金曜日

マンガでわかるベイズ統計学

題名:マンガでわかるベイズ統計学
著者:高橋信,上地優歩,ウェルテ
発行:オーム社(2017.11.25)

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☆☆★★★

漫画でベイズ統計を解説している本です.「マンガでわかるシリーズ」は良書が多いのですが,残念ながら本書はマンガである利点が活かされていない印象です.マンガ部分と解説部分が噛み合っていません.とくに,マンガ部分で式の展開が「こうなります」とキャラクターに語らせているのは残念です.なにをしたのか,式の意味はどう解釈できるのか,などを語らせて欲しかった.

2019年4月10日水曜日

Genesis 一万年の午後 創元日本SFアンソロジー

題名:Genesis 一万年の午後 創元日本SFアンソロジー
著者:久永実木彦,高山羽根子,宮内悠介,秋永真琴,松崎有理,倉田タカシ,宮澤伊織,堀晃,加藤直之,吉田隆一
発行:東京創元社(2018.12.21)

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☆☆☆★★

創元日本社による短編SFやエッセイのアンソロジーです(サブタイトルそのままですね).収録されている宮内悠介の「ホテル・アースポート」は,宇宙エレベーター(軌道エレベーター)を見はるかすホテル・アースポートでのお話です.

物理は自由だ1 力学 (改訂版)

題名:物理は自由だ1 力学 (改訂版)
著者:江沢洋
発行:日本評論社(2004.3.30)

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☆☆☆☆☆

主に惑星の運動から力学を考えている本です(じつは,一度読んだことがあるのですが,改めて読んでいい本だな,と思ったので紹介します).「わからないことは物理の宝だ」という著者の主張のように,わからないことをそのままにして頭ごなしに与えられた知識で理解したつもりになるのではなく,ゆっくりわかることから攻めていきましょう,という立場から書かれています.物理の問題は「公式」に数値を当てはめれば解ける,と思っている人にオススメします.きっと,こんなの物理じゃない,という感想をもつと思いますが,これこそが物理の考え方,自然現象に対するアプローチの典型です.

2019年4月5日金曜日

とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト)3 女子高生乱子によるベイズ統計学入門講座

題名:とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト)3 女子高生乱子によるベイズ統計学入門講座
著者:石田基広,石田和枝
発行:共立出版(2019.2.28)

☆☆☆☆★

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ベイズ統計とはどのようなものかについて,お話形式で書かれている本です.内容はともかく,表紙,というかカバー絵と題名が完全にライトノベルで,書店で買うときに言い訳をしたくなる層は確実にいそうです.内容は,ベイズ統計を初めて知る,という人向きだと思いますが,少し説明が足りないように感じます.お話の展開は,読みにくくはないのですが,ちょっと場当たり的な感じです.主題の解説とお話の展開の分量とバランスが,難しいですね.とくに分量が問題だと思います.長くすると分かり易く面白く書けますが,本が厚くなり,値段が高くなり,売れなくなる,と編集側から言われそうです.