2016年12月13日火曜日

ホワット・イズ・ディス?

題名:ホワット・イズ・ディス? むずかしいことをシンプルに言ってみた
著者:ランドール・マンロー
訳者:吉田三知世
発行:早川書房(2016.11.20)

Thing Explainer
Complicated Stuff In Simple Words
by Randall Munroe
2015

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☆☆☆☆★

1000語の英単語で難しものや概念を説明しようと試みた本です.日本語には小学6年までに覚える漢字で訳したそうです.いきなり最初が「宇宙シェアハウス」でヤラレました(なんのことだか,わかりますよね).かなり難しい概念まで説明してあって,楽しめます.ただ,初めて学ぶのには向かないと思います.すでに知っていることを「こんな風に説明できるんだ」と面白がる本です.あと,判型が大きすぎ.たしかに説明の文字が小さいので,老眼にはこのくらいの大きさがあったほうが楽ではありますが,それにしても大きすぎるので,星ひとつ減点(電子版もあるようですが).

2016年12月10日土曜日

賢者の石,売ります

題名:賢者の石,売ります
著者:朱野帰子
発行:文藝春秋(2016.11.20)

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☆☆☆☆★

科学的に正しいことに信念を持つ主人公が人間的に成長する様子を描いたお話です.登場する似非科学周辺の人々の振る舞いや言説がそれっぽくて,読んでいて何度も「ああ,もお」ってなりました.研究者のキャラクターもよく書けています.面白い.( iBooks 版にて)

2016年12月7日水曜日

月の縦孔・地下空洞とは何か 月探査機「かぐや」による縦孔発見から「 UZUME」計画まで

題名:月の縦孔・地下空洞とは何か 月探査機「かぐや」による縦孔発見から「 UZUME」計画まで
著者:春山純一
発行:ロビー出版(2016.10.25)

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☆☆☆☆★

月の縦孔・地下空洞について書かれている本です.著者は,月の縦孔を発見した方なので,記述に迫力があります.さらに,月のみならず太陽系内の天体の穴という穴の探査を目指す UZUME 計画についても熱く語られています.有人宇宙活動の拠点となるだろうと期待されている月などの縦孔について知りたい方は必読.残念なことに校正不足の感があり星ひとつ減点.( Kindle 版にて)

2016年12月2日金曜日

小惑星探査機「はやぶさ2」の挑戦

題名:小惑星探査機「はやぶさ2」の挑戦
著者:松浦晋也
発行:日経BP社 (2014.12.19)

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☆☆☆☆★

小惑星探査機「はやぶさ2」について,プロジェクトにおいて中心的な役割を果たした方々へのインタビューを交えて書かれている本です.とくに,当事者たちへのインタビューが充実していて,著者の面目躍如といったところ.読み応えがあります.残念なのは,図が少なくて,語られている内容が理解しにくいところ.そのためひと星原点(図を入れにくい事情も想像はできるのですが).[ Kindle 版にて]

2016年11月29日火曜日

精霊の箱 チューリングマシンをめぐる冒険

題名:精霊の箱 チューリングマシンをめぐる冒険 上・下
著者:川添愛
発行:東京大学出版会(2016.10.25)

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☆☆☆☆☆

チューリングマシンをテーマとする計算についての物語です.なんのことか,わからないかもしれませんが,計算の解説をしている本ではなく,物語です(読むとわかります).かなりオススメです.
『白と黒のとびら オートマトンと形式言語をめぐる冒険』の続編で,物語としての面白さは前作を上回っていると思います.内容がやや無理矢理なところも見受けられますが,苦労したのだろうな,という感じです.
次はあるのか? 期待してます.

2016年11月18日金曜日

住宅建築家 三人三様の流儀

題名:住宅建築家
三人三様の流儀
著者:中村好文,竹原義二,伊礼智
発行:エクスナレッジ(2016.3.2)

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☆☆☆☆★

住宅建築家3人によるそれぞれの住宅論についての本です.対談とそれぞれか書かれた文章から構成されています.錚々たるメンバーですが,それぞれの違いがわかったりして,面白い.

2016年11月13日日曜日

Glyph* : A visual exploration of punctuation marks and other typographic symbols

題名:Glyph* : A visual exploration of punctuation marks and other typographic symbols
著者:Anna Davies
発行:Cicada Books(2015.11)

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☆☆☆★★

タイトルの通り,glyph がたくさん載っている本(洋書)です.辞書をひくと,glyph は「絵[図案]を使った標識」とでてきますが,この本に載っているのは標識ではなく,印刷に使われる文字ではない,いわゆる約物の字体です.二色刷りの黒ではない方のインクの色がとても見にくいので減点.
資料として.

クモの糸でバイオリン

題名:岩波科学ライブラリー クモの糸でバイオリン
著者:大崎茂芳
発行:岩波書店(2016.10.5)

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☆☆☆☆★

副業(?)としてのクモの糸の研究成果を一般に向けて書かれている本です.とても面白く読みましたが,文書がややわかりにくかったので減点.全体的に,もう少し詳しい説明が欲しかった.よく「クモの糸で宇宙エレベーターはつくれないのでしょうか」という質問を受けるので,もう少し力学的な性質を書いていただけるとありがたかったかも(論文を読めということですね).

2016年11月6日日曜日

新 物理の散歩道



題名:ちくま学芸文庫 新 物理の散歩道 第1集-第5集
著者:ロゲルギスト
発行:筑摩書房(2009.5.10-2010.1.10)

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☆☆☆☆★

日常の出来事や身の回りの現象の不思議を解きほぐしていく本です.念のため説明すると,著者の「ロゲルギスト」は外国人ではなく,物理学者の集まりのペンネームです.うるさい物理学者の議論の様子を垣間見ることができます.棚卸し本.

第5集に載っていた魚悌は,シアトルで実際に見てきたので興味深かったが,きっと行ったことがないと何のことかわからないだろうなという記述が多くて残念.

2016年10月25日火曜日

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

題名:文春文庫 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち
著者:マイケル・ルイス
訳者:東江一紀
発行:文藝春秋(2013.3.10)

THE BIG SHORT
Inside the doomsday machine
by Michael Lewis
2010

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☆☆☆★★

サブプライム危機のの只中で世界経済のシステム破綻に賭けた人たちについて書かれている本です.経済や債権のことに不案内でも十分わかるように丁寧に書かれています.世界同時金融危機の原因がなんだったのか,やっとわかりました.事実かどうかは不明ですが,金融の危うさは伝わりました.

2016年10月18日火曜日

中学生までに読んでおきたい日本文学 7 こころの話

題名:中学生までに読んでおきたい日本文学 7 こころの話
編者:松田哲夫
発行:あすなろ書房(2011.2.28)

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☆☆☆☆★

こころにまつわる名作短編がつまったアンソロジーです.「ああ,この作家はやはりうまいなぁ」と唸ったりすること多数.中学生にオススメ

2016年10月17日月曜日

ゲノム編集とは何か

題名:講談社現代新書 ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃
著者:小林雅一
発行:講談社(2016.8.20)

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☆☆★★★

ゲノム編集とは何か,遺伝子組換えとはどう異なるのか,について書かれている本です.一見,わかりやすく書かれているのですが,すごく鼻につく文章で,読みにくかった.「どうせ専門のことは読者にはわからないでしょ,著者も含めてね」という感じ.新書の書き手として,このような文章を求められているのだとすると,私には難しいわけです.また,同じことがしつこいくらい何度も出てきます.校正ミスもあり,内容的にはわかりやすいだけに,残念.原稿の量,半分でよかったんじゃない?

2016年10月13日木曜日

文章入門

題名:レグルス文庫 文章入門 上/下
著者:野間宏
発行:第三文明社(1988.6.30)

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☆☆☆★★

文章を書きたい,書こうという若い人に向かって書かれている本です.真っ当なことが書かれていますが,まあそうだよね,という感じ.読んでも悪いことはないけれど,書きたいならどんどん書いて,後で読んでみると,だよねー,と思えばいいかと.棚卸本

2016年10月11日火曜日

数学入門

題名:岩波新書
数学入門 上/下
著者:遠山啓
発行:岩波書店(1959.11.17/1960.10.20)

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☆☆☆☆☆

数学の知識を日常的な視点から書いている本です.面白いし,わかりやすい.下巻の方がちょっと難しいかな.すべての人に,とくに数学なんてなんの役にも立たんと思っている方にオススメ(読まないだろうけど).

中学生までに読んでおきたい日本文学 6 恋の物語

題名:中学生までに読んでおきたい日本文学 6 恋の物語
編者:松田哲夫
発行:あすなろ書房(2011.1.30)

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☆☆☆☆★

恋にまつわる名作短編がつまったアンソロジーです.中学生にオススメ(でも,中学生てとわからないそうなのも入ってます.背伸びして読め).

2016年10月10日月曜日

20世紀物理はアインシュタインとともに 同時代の物理学者との交流と論争

題名:ブルーバックス 20世紀物理はアインシュタインとともに 同時代の物理学者との交
流と論争
著者:中村誠太郎
発行:講談社(2000.12.20)

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☆☆☆☆★

相対性理論や量子論など,20世紀はじめごろの物理学の展開とそれを担った物理学について書かれている本です.故中村誠太郎先生は,その頃の時代を生きた方だったので,当時の様子が克明に書かれています.高校生の時にブルーバックスで名前を知っていた中村先生に大学で教わることができたの私は,ラッキーでした.

図形ドリル 平面・立体表現の基礎を学ぶ

題名:図形ドリル 平面・立体表現の基礎を学ぶ
著者:上田篤(空間デザイン)
発行:学芸出版社(2012.3.15)

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☆☆★★★

デザイン教育における基礎教育の教科書として書かれた本です.さまざまな図形の書き方が紹介され,練習ができるようになっています.資料として

イラストからアニメまで エフェクト表現の物理学

題名:インプレスムックMdN EXTRA Vol.4 イラストからアニメまで エフェクト表現の物理学
発行:エムディエヌコーポレーション(2016.4.1)

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☆☆☆★★

イラストやアニメーションでの爆発,液体,炎,煙,魔法などの描き方が紹介されている本です.ちなみに,物理は出てきませんw 
資料として

2016年10月9日日曜日

中学生までに読んでおきたい日本文学 5 家族の物語

題名:中学生までに読んでおきたい日本文学 5 家族の物語
編者:松田哲夫
発行:あすなろ書房(2011.1.30)

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☆☆☆☆★

家族にまつわる名作短編がつまったアンソロジーです.中学生にオススメ.

2016年10月4日火曜日

文章読本 改版

題名:中公文庫 文章読本 改版
著者:三島由紀夫
発行:中央公論新社(1995.12.18)

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☆☆☆★★

積読本棚卸し.資料として.もともと三島由紀夫が『婦人公論』の別冊付録として書いたものだそうです.昔の雑誌はすごいね.

数学でみた生命と進化 生き残りゲームの勝者たち

題名:ブルーバックス 数学でみた生命と進化 生き残りゲームの勝者たち
著者:カール・シグムンド
監訳:富田勝
発行:講談社(1996.3.20)

Games of Life
Karl Sigmund
1993

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☆☆☆★★

積読本棚卸し.生命の営みや進化を数学的思考で解き明かそうという本です.さすがに時代を感じる記述もありますが,内容は古くありません.ただ,訳のせいなのかもともとそうなのか,読み進めるのに骨が折れます.

2016年10月3日月曜日

謎を呼ぶ大建築

題名:謎を呼ぶ大建築
編著:ナショナルジオグラフィック
発行:日経ナショナルジオグラフィック社(2016.7.19)

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☆☆☆☆★

ナショナルジオグラフィックが撮影した写真と図で大きな建築物についての解説をしている本です.わかりやすくて面白いのですが,それぞれの建築物についての記述が表面的なのと,取り上げている建築物が少ないのが不満.まあ,この手の本では仕方がないのかな.サグラダ・ファミリアの完成が楽しみです.

岩波ジュニア新書 新版 元素の小事典

題名:岩波ジュニア新書 新版 元素の小事典
著者:高木仁三郎
発行:岩波書店(1999.3.19)

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☆☆☆★★

原子番号順に元素を解説している本です.大変意欲的な本ですが,見開きでひとつの元素を解説しているので,記述が足りないなぁと感じる元素も結構あります.あと,どうしても古さを感じます.ちょっと説教臭いのは,著者の個性か.こういう本を出してくれるのが岩波書店ですが,品切れのままにしておくのも岩波書店です.

2016年10月2日日曜日

外来種は本当に悪者か?

題名:外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD
著者:フレッド・ピアス
訳者:藤井留美
発行:草思社(2016.7.20)

THE NEW WILD
by Fred Pearce
2015

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☆★★★★

外来種は生態系に対する脅威ではなく,新しい生態系の復元力を高めている,ということが書かれている本です.巷て問題にされているので,読んでみました.主張のすべてがおかしいというわけではないが,少なくとも,アンフェアだという主張がアンフェアではいけないと思います.騙されやすい人は要注意.

2016年9月16日金曜日

華氏451度

題名:ハヤカワ文庫 華氏451度
著者:レイ・ブラッドベリ
訳者:宇野利泰
発行:早川書房(1975.11.30)

FAHRENHEIT 451
by Ray Bradbury
1953

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☆☆☆☆★

積読本棚卸し.本が燃やされる世界のお話です.
ずっと読まなきゃ,と思いつつ放っとかれてました.早く読むべきだった... 新しい訳者で新訳版も出てます.

2016年9月14日水曜日

学問の春 〈知と遊び〉の10講義

題名:平凡社新書 学問の春 〈知と遊び〉の10講義
著者:山口昌男
発行:平凡社(2009.8.11)

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☆☆☆★★

山口昌男の「文化学総論」という講義を元につくられた本です.学ぶとはどういうことかを後進に伝えようとした講義だったのかなぁ,という感じてす.新書のせいか,図が少なくてわかりにくいのが残念.

2016年9月12日月曜日

違和感の正体

題名:新潮新書 違和感の正体
著者:先崎彰容
発行:新潮社(2016.5.20)

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☆☆☆★★

メディアなどの「正義」に感じる違和感についての考察が書かれいてる本です.そうそう,と頷けるところもありますが,なんか途中からワンパターン.

最新 惑星入門

題名:朝日新書 最新 惑星入門
著者:渡部潤一,渡部好恵
発行:朝日新聞出版(2016.7.30)

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☆☆☆☆☆

最先端の研究をもとに太陽系についての解説が書かれている本です.とても読みやすく書かれいてます.私の文章に対する姿勢と似ているかも.しかもご夫婦で書かれているなんて,お羨ましい(どういう分担だったのでしょう).題名は惑星入門ですが,惑星だけにとどまらず,太陽系の全体像もつかめます.

2016年9月7日水曜日

光文社新書 若田光一 日本人のリーダーシップ ドキュメント宇宙飛行士選抜試験 II

題名:光文社新書 若田光一 日本人のリーダーシップ ドキュメント宇宙飛行士選抜試験 II
著者:小原健右,大鐘良一
発行:光文社(2016.1.20)

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☆☆★★★

NHK の番組の取材を元に書かれた若田さんの ISS コマンダーにまつわることが書かれている本です.番組を見れば十分かな,という感じです.

2016年8月13日土曜日

漂流の島 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う

題名:漂流の島 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う
著者:高橋大輔
発行:草思社(2016.5.25)

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☆☆☆☆★

江戸時代に鳥島に流れ着いた漂流民について,とくに生活していた洞窟について調べたことがまとめられている本です.漂流民のことたけでなく,鳥島のこともよくわかります.鳥島は,夜明けの沖合を通過した時に島影を見ただけですが,あそこでこんなドラマがあったのかと,読んでいて引き込まれました.


2016年7月31日日曜日

売れる!楽しい!「手書きPOP」のつくり方

題名:売れる!楽しい!「手書きPOP」のつくり方
著者:増澤美沙緒
発行:同文館出版(2015.10.20)

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☆☆☆★★

販促で使うPOPの作り方が書かれている本です.販促のために買ったわけではなく,資料のつもりでしたが,意外に面白かった.いろいろ参考になります.

2016年7月30日土曜日

すずなの恋 1

題名:すずなの恋 1
著者:あづま笙子
発行:竹書房(2016.8.10)

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☆☆☆☆☆

『マンガでわかる微分方程式』の作画でお世話になった,あづま笙子さんの新単行本です.帯には「ちょっぴり男の子が苦手です」とありますが,かなり苦手な女の子の四コマ漫画です.

コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか

題名:ブルーバックス コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか
著者:旦部幸博
発行:講談社(2016.2.20)

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☆☆☆☆★

コーヒーの味と香りや上手な淹れ方などが科学的な面から書かれている本です.コーヒー好きは読んで損はないと思います.

2016年7月26日火曜日

ショートショートの缶詰

題名:ショートショートの缶詰
編者:田丸雅智
発行:キノブックス(2016.5.10)

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☆☆☆★★

ショートショート24編が収められている本です.ショートショートは面白いです.

水族館行こミーンズ I LOVE YOU

題名:角川文庫 水族館行こミーンズ I LOVE YOU
著者:内田春菊
発行:角川書店(2001.10.25)

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☆☆☆★★

国内の水族館50館を回って書かれたエッセイです.積読解消本.現状とは異なるかもしれませんが,興味深い内容です.



絵はすぐに上手くならない デッサン・トレーニングの思考法

題名:絵はすぐに上手くならない デッサン・トレーニングの思考法
著者:成冨ミヲリ
発行:彩流社(2015.10.30)

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☆☆☆★★

絵が上手くなるためのトレーニングについて書かれている本です.特別なことが書かれているわけではありませんが,意外に面白かった.

2016年7月19日火曜日

心理学的に正しいプレゼン

題名:心理学的に正しいプレゼン 聴衆を納得させる99のアプローチ
著者:スーザン・ワインチェンク
訳者:壁谷さくら
発行:イースト・プレス(2015.9.30)

100 THINGS EVERY PRESENTER NEEDS TO KNOW ABOUT PEOPLE
by Susan Weinschenk
2013

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☆☆☆★★

プレゼンテーションで気にかけておく方がいいことについて書かれている本です.内容はマトモなんですが,装丁がヒドイ.パッと見は派手なんですが,ワザと読みにくくしているのではないかという印象を受けます.それに,原題では「100 THINGS」となっているのに,邦訳では「99のアプローチ」となっていて,ひとつどこにいっちゃったの,状態です.売れればいいのか,ということで,2星減点.

不適切な日本語

題名:新潮新書 不適切な日本語
著者:梶原しげる
発行:新潮社(2016.5.20)

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☆☆☆☆★

「不適切な日本語」についてアナウンサーが書いた本です.この本の著者とは,話が合いそうな気がします.溜飲を下げたいあなたにオススメ.おっと...

2016年7月13日水曜日

中学生までに読んでおきたい日本文学 4 お金物語

題名:中学生までに読んでおきたい日本文学 4 お金物語
編者:松田哲夫
発行:あすなろ書房(2010.12.25)

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☆☆☆☆★

中学生までに読んでおきたい日本文学シリーズです.お金物語,というより,貧乏物語,という感じのセレクションです.


2016年6月28日火曜日

「全世界史」講義

題名:「全世界史」講義 I古代・中世編/II近世・近現代編 教養に効く! 人類5000年史
著者:出口治明
発行:新潮社(2016.1.15)

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☆☆★★★

文明が誕生してから現在までの歴史を一気読み,という触れ込みの本です.歴史の本としては,史実なのか著者の考えなのかがよくわからないのは,致命的でしょう.また,おそらく著者が不得意な分野(時代)が単調に書かれていて,面白味に欠けます.そもそも,人類史全体をひとりで面白く書くのは,かなり困難ですよね.宣伝につられて損した.

2016年6月7日火曜日

宇宙食 人間は宇宙で何を食べてきたのか

題名:共立スマートセレクション 宇宙食 人間は宇宙で何を食べてきたのか
著者:田島眞
発行:共立出版(2015.11.10)

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☆☆☆★★

宇宙食について書かれている本です.データなどで資料的に価値のある事柄もありますが,本としては可もなく不可もなく,という感じです.読んで楽しい本というより,持ってて役に立つ本.

左遷論

題名:中公新書 左遷論 組織の論理,個人の心理
著者:楠木新
発行:中央公論新社(2016.2.25)

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☆☆☆★★

日本の雇用慣行を背景にした左遷について書かれている本です.タイトル負けで,ちょっとガッカリ
.同じようなことが繰り返し書かれていて,1アイデアで新書1冊書いてしまったような感じ.

2016年5月24日火曜日

学術書を書く

題名:学術書を書く
著者:鈴木哲也,高瀬桃子
発行:京都大学学術出版会(2015.9.25)

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☆☆☆★★

伝わる論文や本を書く方法などを編集者が実践的に書いている本です.版元は「生き残りをかけたすべての研究者・研究機関必読」などと煽ってますが,この本に書かれている程度のことができていないようなら,確かにダメダメでしょうね,というレベルです.学生にはいいかも.

2016年5月21日土曜日

植物はそこまで知って

題名:植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち
著者:ダニエル・チャモヴィッツ
訳者:矢野真千子
発行:河出書房新社(2013.4.30)

WHAT A PLANT KNOWS
by Daniel Chamovitz
2012

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☆☆☆☆★

植物の感覚について書かれている本です.植物の感覚を,視覚,聴覚,嗅覚などというかは疑問ですが,植物がただ受身の生き方をしている訳ではないことがわかります.

2016年5月13日金曜日

マンガ建築考 もしマンガ・アニメの建物を本当に建てたら

題名:マンガ建築考 もしマンガ・アニメの建物を本当に建てたら
著者:森山高至
発行:技術評論社(2011.4.5)

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☆☆★★★

マンガやアニメに登場する建築を立てるとしたら,ということが書かれている本です.元ネタのマンガやアニメを知らないと内容がまったくわからない書き方は,賛成しかねます.